砂漠を這いながら動き回るユニークなサボテン「地を這う悪魔」 (2/3ページ)
こうした体勢が、この植物が単独で生き残るのに大きな役割を果たしているだけでなく、長い年月の間に自らの力で砂漠を移動する独特な能力を育んだ。
この地域が寒冷な海洋気候だった時代、クリーピング・デビルは毎年約60センチほど成長し、その棘だらけの幹で近寄る者を阻む大きなサボテン群を形成していたと思われるが、乾燥した気候になると、その成長率が10年に60センチというペースに落ち込んだ。
バハ・カリフォルニア・スルという限られた環境になっても、この多肉植物は受粉媒介者の助けをかりることなく、自分で自分のコピーを作るという生き残り策を選んだ。
地面と平行に這うように成長しているうちに、クリーピング・デビルの幹は先端に向かって根をはるようになり、砂の多い土壌にしっかりと根づくと、後方の古い部分が死んで腐り、最終的に新しい幹が育つための栄養分になる。
こうしたプロセスを経て、このサボテンは長い間に砂漠を這いまわることができるようになった。ある意味、このサボテンは生き延びるために死ななくてはならないとも言える。

image credit:Raffi Kojian/CC BY-SA 3.0
・現在は絶滅危惧種植物
クリーピング・デビルはとても魅力的な植物だが、現在、絶滅の危機に瀕している。希少種ゆえに、サボテンマニアが莫大な金額を投資して、自分の庭の多肉植物コレクションに加えようとするのだ。
闇市場で4000~5000ドルで売られることもあるという。だが、違法取引だけがこのサボテンが直面している脅威ではない。