かつてカナリアは毒ガス検知器として使用されていた (3/4ページ)
自ら密閉した部屋に閉じこもり、有毒な混合ガスを吸い込んで、自分の体がゆっくりと毒されていくとどうなるのか、記録したことで有名だ。
第一次世界大戦中、ホールデーンは前線に赴き、ドイツ軍が使った毒ガスを特定した。これが世界初のガスマスクの開発につながった。

さらにホールデーンは、多くの炭鉱事故を調査し、被害者の体がピンク色に染まって死に至っていることに気づいて、一酸化炭素が多くの炭鉱夫を死に追いやる致死成分であることを発見した。この現象は、一酸化炭素が血中のヘモグロビンと結びついてできた化合物のせいだ。
1890年代後半、ホールデーンはマウスやカナリアなどの小動物を使って実験を始めた。小動物は代謝率が早いので、一酸化炭素ガスがわずかしか存在していなくても、その影響がいち早く現われる。
とくにカナリアは、特殊な呼吸器をもっているため、空気中の毒素を見つけるのに最適だった。

人間と鳥の呼吸器の違いを示した図image credit:Eleanor Lutz
カナリアなどの鳥類は、空気中からできるだけ多くの酸素を取り込むために複雑な構造をした呼吸器をもっている。
空を飛ぶのに多量のエネルギーを使うため、鳥にとってはこれはとても重要なことだ。さらに鳥は、酸素の非常に少ない高所を飛ぶこともある。
鳥は空気を吸い込むとき、その肺の大きさに比べてかなり大量に吸い込む。