経営者が「一度は会っておけ」と言う社長が語る、ビジネスに必要な「正直さ」の本質 (2/4ページ)
以前、ある経営者の方から「新入社員にスーツをつくってほしい」と言われたのですが、話していたらその新入社員の男性は、「実は俳優になりたいっていう夢があったんです」って打ち明けてくれて、結局、会社を辞めちゃったんですよ。
これはまずいですよね(笑)。スーツも作って、そのお金も社長が払っているんですよ。なのに、私と会って話したためにその人は会社を辞めてしまったんです。
でも、これを「まずいよね」と思う人もいれば、「そういう人が働いていてもお互いハッピーじゃないよね」と思う人もいました。
お互いの幸せがゴールだと考えたときに、「良い事をした」と思うのか「やっちゃった」と思うのか。どっちもあると思うけど、結果、その経営者からは何も言われなかったんです。本人がやりたいことをやる道に進んだわけですから。
それに、その経営者の方は、いまだに新しい社員が入ると、muse(ミューズ)にオーダースーツを頼んでくださっています。
勝:その行動が誰かを陥れようとしたのではなくて、誠実に人と向き合った結果ですし、そう思われているのかもしれません。私は「俳優にはなれないと思うからあきらめて今の会社で働いたほうがいいよ」とは言えなかったから。
――背中を押したという感じですか。勝:背中を押したというよりは、辻褄の合っていない話をされて、違和感を抱いたんです(笑)。言い訳だらけで優柔不断だったので、「そんな自分が好きなの?」って言ったら「好きじゃないです」と。「じゃあ、変わろうよ」と言って。
ただ、自分がすごく素直で正直だったら傷つくこともやっぱりあります。それだけ全力で人に向き合うということですから。そこで、「相手も全力とは限らない」ということを心しておかないと、寂しいし空しくて、「何なの、人って?」となっちゃう人もいると思います。
こっちが100%だったとしても相手は10%かもしれない。それはやっぱりガッカリしてしまいますよね。でも、そうでもあっても100%で向き合うことが大事だと私は思っています。