犯罪歴のある人に仕事を…求人誌「Chance!!」の挑戦 (2/2ページ)

まいじつ

そういう人たちを支援する会社を作れば、皆が過去を包み隠さずに社会で輝けるようになるのではないかという妄想が膨らみ、お金もノウハウもないまま、ついつい会社を登記してしまいました(笑)」

刑期満期で出所しても家族から「顔を見せるな」と拒絶されて身寄りがない人や、所持金が尽きたために盗みを犯して刑務所に戻ってしまう人など、そんな事例はたくさんあると話す。

「社会貢献やボランティアというつもりは全くない」

Chanceは求人誌なので収益源は出稿企業からの掲載料だが、受け入れてくれるならどんな会社でもいいというわけではない。媒体趣旨を理解する企業を探すのは、知り合いの紹介が多いという。

「実際に社長と会ってみて、『どんな人でも一緒に成長したい』という思いがあって、万が一逮捕されることがあっても待ってくれる会社を選んでいます。『とにかく人手が欲しい』というだけの会社はお断りしています」(三宅氏)

雑誌に掲載していない企業も含め、協力企業は30社以上あり、理解は少しずつ広がっているという。配布先は刑務所や少年院、更正保護施設、受刑者支援団体などで約650部だ。

この求人誌が収益事業として独り立ちしていくには、まだまだ時間がかかりそうだが、三宅氏は「社会貢献やボランティアというつもりは全くない」と強調する。会社設立のときも、NPOではなく株式会社にした。

出所・出院した人たちが社会復帰するには社会の温かいまなざしは不可欠だ。しかし、ボランティアという言葉には、ともすると“同情”や“憐れみ”の響きが伴う。出所・出院した人たちが本当の意味で自立していくには、求人誌が収益事業として成立するように社会から求められる存在になってほしいと、三宅氏はそう願っているようだ。

【画像】

KieferPix / Shutterstock

「犯罪歴のある人に仕事を…求人誌「Chance!!」の挑戦」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会問題犯罪社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る