「南北統一」は日本にとって恐ろしいことだらけ

まいじつ

(C)Onur Buyuktezgel / Shutterstock
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6月12日の米朝首脳会談で、“南北融和”が一層鮮明になった。しかし、日本にとっては南北統一が早くないほうがいい。万が一、実現してしまうと“日本の国家存立の危機”に立たされる可能性もある。

「韓国はテクノロジーが発達しており、一応の民主主義下で活気に満ちた主要経済大国のひとつとなっています。一方で北朝鮮は、金一族の支配下にあり、個人の自由がほとんどない貧しい国です。南北統一は、1990年に再統一した東西ドイツとは異なり、朝鮮半島の分断はいまだ解決されていない同胞同士の内戦に端を発しています。ですから韓国と北朝鮮は、朝鮮戦争を終結するための平和条約に署名しておらず、互いをまだ正式に認めていません。そして何より一般国民の腹の内は『北朝鮮と心中したくない』で一致しているのです」(朝鮮半島ウオッチャー)

実際、韓国では統一を支持する世論も低下している。韓国政府系シンクタンク『韓国統一研究院』の調査によると、2014年には70%近くが《統一は必要》と回答したのに対し、現在は58%に低下している。1969年に政府が実施した別の調査では、90%が《統一を支持する》と答えていたのとは隔世の感がある。

「韓国世論が南北統一をよしとしなくなった理由は、統一された場合に韓国が被る経済的損失が大き過ぎるからです。統一にかかる費用は最大5兆ドル(約550兆円)と試算されており、そのほとんどが韓国の肩にのしかかることになるのです。日本にも余波があります」(同・ウオッチャー)

韓国国民は極端な生活水準の低下に直面

韓国統計庁が発表している『北朝鮮の主要統計指標2017年版』によると、北朝鮮の2016年の経済規模(国民総所得)は韓国の45分の1となっており、両国の経済の差は極めて大きい。北朝鮮の人口は約2500万人で、韓国の約5000万人の半分だから、これは異常なほどの格差だ。

東西ドイツの例を見ると、旧東独の経済規模は旧西独の7分の1程度だった。人口は、旧西独の6200万人に対し、旧東独は1600万人と約4分の1。これらの数字から導き出された旧東独のひとり当たりの経済規模は、旧西独の約2分の1だったといわれている。それでも統一ドイツは一時的にせよ、西側先進国から脱落したほどだ。

「仮に韓国が破綻国家を合併してしまうと、国民は極端な生活水準の低下に直面します。北朝鮮の住民は多少、自由になるでしょうが、自由競争の社会で揺さぶられつつ、差別を受けたり反動化したりするかもしれません。そんななかでは、新国家として求心力維持のために日本を貶める行動に出る可能性が否定できません」(同・ウオッチャー)

朝鮮半島の有事は恐ろしいが、南北和平後はもっと恐ろしいのが現実だ。

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