秋津壽男“どっち?”の健康学「乾いた水虫と湿った水虫はどちらが厄介?重症化して蜂窩織炎を引き起こす可能性も」 (2/2ページ)

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こうなると抗生物質を投与せねばならず、当然ながら入院を余儀なくされます。

 昔は蜂窩織炎は釘などを踏んだ箇所から雑菌が入り、足を切断しなければならないほど重い症状でした。最近は蜂窩織炎の原因を見ると、ほとんど水虫です。広がりやすくうつしやすく、治療が難儀であり、体の中に入ると大病となるなど、湿った水虫は乾いた水虫の何倍も怖いのです。

 蜂窩織炎の予防法は細菌を寄せつけないに尽きます。手洗いやアルコール消毒を徹底して水虫の治療を怠らないことです。幸い、医学が発達した現在は治療法も確立され、病院で処方されている飲み薬や塗り薬は劇的に進歩しており、きちんと治療すれば100%治ります。

 完治したと思っても「またできてしまう」のも水虫のやっかいな点です。水虫とは、見た目で症状が消えても菌が残っています。つまり完治していないため、半年ほど薬を塗り続けてください。抜いても抜いても生えてくる雑草と同じで、完璧に治すには根っこから絶やす必要があるのです。

 湿った水虫は広げないのが肝心ですので、家族に移さぬためにも、スリッパを自分専用としたり、家の中で裸足にならないなどの注意を払ってください。指と指をくっつけないためにも、5本指のソックスは必需品です。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

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