秋津壽男“どっち?”の健康学「乾いた水虫と湿った水虫はどちらが厄介?重症化して蜂窩織炎を引き起こす可能性も」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「乾いた水虫と湿った水虫はどちらが厄介?重症化して蜂窩織炎を引き起こす可能性も」

 死や大病に直結しない病気は「大したことない」と思われがちですが、「実は怖い」とされる症状も少なくありません。

 例えば、歯茎から出血する歯周炎は痛みがないため放置されがちですが、歯周病に進行すると口臭がひどくなり、歯もグラグラして抜けてしまいます。歯周病になって糖尿病や肺炎、心臓疾患、骨粗鬆症などの大病を患う確率も高まり、さらには認知症が進行する危険性もあるので、想像以上に怖い病気と言えます。また、不眠症も長引くとホルモンバランスが乱れて肥満につながります。高血圧や脳梗塞などの要因である動脈硬化にもつながりますし、ホルモン分泌が少なくなるため、自覚症状がないままうつ症状が出る可能性もあるほどです。

 同じように甘く見てはいけないのが、梅雨の時期に増える水虫です。では、ここで問題です。水虫でやっかいなのは「乾いた水虫」と「湿った水虫」のどちらでしょうか。

 乾いた症状も湿った症状も、どちらも本人にとってはかゆくてやっかいですが、他人へのうつりやすさや大病の危険性を考えると、「湿った水虫」のほうが何倍も危険です。

 乾いた水虫は水虫菌(=白癬菌)が飛散しにくく、他人に移りにくいという特徴があります。かゆみこそあれどうつりにくいため、症状が広がりにくいのです。

 対して、湿った水虫のジュクジュクの症状は白癬菌だらけです。水虫を潰した際、白癬菌を含んだウミが飛ぶなど人から人へと広がりやすく、また他人にもうつしやすい症状なのです。

 この湿った水虫、治療を間違えると大変なことになります。ステロイド軟膏のように、塗ってはいけない薬があるのです。水虫は白癬菌による皮膚感染症で、免疫抑制作用のあるステロイドを塗ると免疫細胞の力が弱まり、病原菌に対抗する力が失われます。数時間後、指と指の間が湿っていただけなのに、足の甲全体に広がることすら珍しくありません。くれぐれも自分で治療せず、医者から処方された薬を塗ってください。

 さらに怖いのは、水虫菌が皮膚のバリアを突き破り、蜂窩織炎を引き起こすケースです。発熱や寒気、関節痛などが起こり、ひどい場合には38度以上の高熱に見舞われ、足が真っ赤に腫れ上がります。

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