チャンスは全ての女性に!?源氏物語の光源氏が愛した女性には意外と不美人がいた (2/3ページ)

Japaaan

現代なら「白人女性によく見られるような容姿」とポジティブに捉えられた可能性もありますが、おかめ顔が美しいとされていた当時としては「絶世の醜女」!

…そんな末摘花でしたが、最後は光源氏の造営した六条院の東の院に夫人として迎えられるという、破格の待遇を得ています。

不美人設定は後付け?花散里

「花散里の君」は、光源氏の父・桐壷院の女御の1人であった麗景殿の女御の妹にあたる姫君です。
源氏の若い頃に恋愛関係になったという彼女、初登場時にはなぜか容姿についての記述がありません。

後に『乙女』の巻で夕霧の養母となるに当たり、夕霧の感想として

「よくないお顔である。こんな人を父は(よくもまあ)妻としていることができる…」

などと描写されています。

更に『初音』の巻では

「髪のぐあいなどももう盛りを過ぎた人になっていた」

と容姿の衰えについて描かれています。

源氏との実質的な夫婦関係は比較的早い段階で終わっていて、物語の後半まで「心の優しい安らげる女性」として度々登場します。

彼女が夕霧に「父上も物好きだな…」と言わしめるほどのブスにされた背景には、『源氏物語』に何度か登場する「義母と義理息子の不義の恋」が、物語の進行上の重要な役割を占めていることが考えられます。

源氏は自分自身が義母である藤壺との不義の恋の果てに、子供までもうけてしまいました。
そこで、息子の夕霧が自分の妻の紫の上(夕霧から見れば義母にあたる)に近付いて同じようなことにならないよう、細心の注意を払っていました。

夕霧の養母となった花散里の君も、立場的には夕霧とそのような関係になる可能性がありますが、物語としてはその方向へは持って行きたくはなかったのでしょう。

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