ちょっと笑えるワカメ事件?枕草子のやりとりを探る:歌人で美男子 藤原斉信 編 (1/2ページ)
さて、前回に引き続き、「枕草子」に描かれた清少納言と藤原斉信とのやりとりについて紹介していきましょう。
前回の記事はこちら。
恋?それとも戦略?枕草子のやりとりを探る:歌人で美男子 藤原斉信 編今回取り上げるのは、清少納言の夫であった橘則光も関わるエピソード。ちょっと笑える話なので、恋愛抜きにしても紹介したいおすすめの段です。
居所を斉信には教えていなかった清少納言
「枕草子絵詞」「淑景舎、春宮に参り給ふほどのことなど」の段
紹介するのは「里にまかでたるに……」の段です。このとき、清少納言は宮中から退出して里下がり(自宅に帰っていた)していました。清少納言は自宅にまで人が訪ねてくるのは煩わしいので、多くの人に自宅の場所を教えていません。知っているのは、夫であった橘則光のほか、左中将・源経房、源済政くらいでした。
あるとき、清少納言のもとに則光がやってきていいます。
昨日宰相の中将のまゐりたまひて、「いもうとのあらむ所、さりとも知らぬやうあらじ。言へ」といみじう問ひたまひしに、さらに知らぬよしを申ししに……(後略)
「枕草子」(校注・訳:松尾聰・永井和子「新編日本古典文学全集」/小学館より)
宰相の中将とは斉信のことです。
