吉原女郎たちの花嫁コスプレイベント?1日限定で女郎が白無垢姿で過ごす「八朔(はっさく)」の行事とは?

Japaaan

吉原女郎たちの花嫁コスプレイベント?1日限定で女郎が白無垢姿で過ごす「八朔(はっさく)」の行事とは?

吉原遊廓では、年に一度だけ女郎たちが花嫁のような白無垢姿で過ごす日がありました。8月1日の「八朔(はっさく)」という行事です。今回は吉原遊廓の八朔をご紹介します。

八朔(はっさく)とは

そもそも八朔とは、徳川家康の江戸入府を祝う記念日です。そのため吉原遊廓だけでなく、江戸城にも真っ白な帷子を着けた武士達が祝賀のため登城しました。

吉原遊廓でも、それと同じように1日限定で女郎が白無垢姿で過ごしたのです。旧暦の8月はすでに秋だったので、花魁の雪のような美しい白無垢姿は「秋の雪」や「八朔の雪」などと呼ばれました。

白無垢といえば花嫁姿に通じるので、女郎たちはこの日は自分の一番の馴染み客をそれぞれ相方にしました。現代風に言うと「年に一度の花嫁コスプレイベント」とでも言えるでしょうか。金に糸目をつけないトップの馴染み客だけが、好きな女郎を一夜の妻として迎える事ができたのです。

作・十返舎一九/絵・歌麿「青楼絵抄年中行事 八朔の図」(文字加筆、筆者)国立国会図書館

八朔のはじまり

吉原遊廓で八朔の白無垢姿が広まったのは、元禄の頃。ひとりの女郎がブームの火付け役となったそうです。このことは、十返舎一九「青楼絵抄年中行事」など複数の古典資料に記述があります。

それによると、元禄の頃、江戸町一丁目巴屋に高橋という名の太夫がいました。病気を患って白い着物で寝込んでいましたが、八朔の紋日(もんぴ)に一番の馴染み客が訪れたのでその姿のまま道中して揚屋に揚がって応対しました。その姿が艶やかで、見た者皆の心にグッときたので、これ以降この白無垢姿が八朔の風物詩となったというのです。

北斎「東都名所一覧 新吉原八朔」国立国会図書館

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

「吉原女郎たちの花嫁コスプレイベント?1日限定で女郎が白無垢姿で過ごす「八朔(はっさく)」の行事とは?」のページです。デイリーニュースオンラインは、吉原江戸時代雑学カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧