秋津壽男“どっち?”の健康学「高齢者の日焼けは健康をも脅かす可能性あり。皮膚がんや白内障の原因になりうる恐怖」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

 その紫外線は波長の長さによりUV-A、UV-B、UV-Cに分かれます。このうちUV-Aは波長が最も長く、紫外線が肌の角質層と表皮を越えて真皮に達するなど肌の弾力性を低下させてシミやシワを作ります。

 中でも、高齢になるほど皮膚に発症する「日光角化症」が肌荒れや皮膚がんの発生原因ともなります。いわば人体細胞のDNAに傷がつく状態で、長年にわたり紫外線で繰り返し傷つけられると、がん遺伝子が突然変異で増殖することがあります。

 さらに気をつけてほしいのが「湿布を貼って紫外線を浴びる」ことです。ケトプロフェンという成分を含む湿布を貼ると、肌が光線過敏症という副作用により、必要以上に赤くただれてしまいます。ケトプロフェンは湿布を剥がしたあとでも2週間程度、肌に残っていますので、今の時期は特に注意してください。

 怖いのは皮膚がんだけではありません。目の水晶体が白く濁る「白内障」も、紫外線の影響が強いことが知られています。特に高齢者の場合、メラニン色素を作る作用が衰えていますので、紫外線の強い場所は避けてください。避けられない場合は日焼け止めを塗るなど、強い紫外線を浴びないように心がけましょう。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「高齢者の日焼けは健康をも脅かす可能性あり。皮膚がんや白内障の原因になりうる恐怖」」のページです。デイリーニュースオンラインは、“どっち?”の健康学白内障秋津壽男日焼け紫外線カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る