秋津壽男“どっち?”の健康学「高齢者の日焼けは健康をも脅かす可能性あり。皮膚がんや白内障の原因になりうる恐怖」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「高齢者の日焼けは健康をも脅かす可能性あり。皮膚がんや白内障の原因になりうる恐怖」

 6月下旬から7月上旬に東京都心で9日連続の真夏日を記録するなど、今年は「スーパー猛暑」が到来すると言われています。熱中症や夏バテはもちろんのこと、猛暑の時期に注意したいのが日焼けです。

 ここ数年、紫外線による健康被害が叫ばれていますが、同じ日焼けでも、肌が赤くなる人と黒くなる人では、どちらがより健康被害が深刻でしょうか。

 夏に日光の熱を浴びて皮膚が赤くなるのは皮膚が炎症を起こしているからです。いわば軽いヤケドの症状で、紫外線を浴びてから5、6時間以上たつと痛みを感じるようになります。これが“サンバーン”と言われる炎症状態が数日間ほど続きます。

 これに対し、炎天下の運動などで軽い日焼けを重ねて肌が黒くなる状態がメラニン色素の沈着で、こちらは“サンタン”と呼ばれています。いわば紫外線を通しにくくして皮膚を守る体の防御反応で、慢性の日焼けと言えるでしょう。

 私たち日本人は、紫外線が強くなる夏に肌が焼け、日焼けを重ねるほど黒くなります。秋から冬にかけて紫外線が少なくなると黒い肌も少しずつ白く戻っていきます。

 一方で、年中紫外線が強い国に住むアフリカ人などは、メラニン色素が沈着するため肌の色も黒くなります。逆に夏の平均気温が20度に満たない北欧のスウェーデンなどは、紫外線をほとんど浴びないため、肌も年間通して白いままです。

 そんなスウェーデン人が紫外線に当たると肌が真っ赤になるのは、メラニン色素が少ないためです。つまり、皮膚が白いほどメラニン色素が少なく、日光に対して弱い状態=日光皮膚炎になりやすいと言えます。

 メラニン色素が少ない場合、強い紫外線を浴びると日焼けとなって、肌が赤くなります。さらに、免疫力が低下したり皮膚へのダメージが強くなります。

 特に海辺は、海水や砂浜からの照り返しで紫外線を多く浴びるのと、肌が濡れているため紫外線を通しやすい状態なので日焼けしやすい条件が整っています。皮膚が腫れたり水ぶくれが生じるほか、目の充血や頭痛、吐き気を催すこともあるので注意が必要です。

 日光は人体にとって必要不可欠ですが、太陽光線にはアレルギー反応を伴う紫外線が含まれています。

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