韓国・済州島リゾートで「観光客が続々と難民化」転落の理由

まいじつ

(C)Mikael Damkier / Shutterstock
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韓国を代表するリゾート地の済州島(チェジュド)で、中東のイエメンからの難民申請者が急増している。韓国法務省によると、前年は全国で131人だった同申請者が、今年1~5月だけで527人に上ったという。

「済州島は観光客らを呼び込もうと、2002年にイエメンを含む約200カ国の人々に、30日以内のビザなし滞在を認めました。加えて昨年12月にマレーシアの格安航空会社のエアアジア Xがクアラルンプールとの直行便を開いたため、イエメンからマレーシアにはビザなしで入国できることが加わり、イエメン-済州島の直通ルートができ、渡航者が急増したのです」(在日韓国人ライター)

ところが、所持金が尽きて野宿するイエメン人が出てきたのだ。

「韓国政府は、通常は申請から半年たたないとできない就業を認める特例措置を取り、食堂の従業員や農畜産関係の手伝いなど仕事の紹介も行いましたが、住民とのトラブルが発生しています。一方、難民申請者がソウルなど島の外に出ることを制限し、かつ6月1日からは、イエメンをビザ免除国から除外しました。韓国メディアも社会問題として取り上げ始め、韓国の世論調査会社リアルメーターも6月21日に世論調査を発表しましたが、それによるとイエメン人を難民として受け入れることへの反対は49.1%と賛成の39%を上回っています」(同・ライター)

韓国の外国人政策は一方的に「適応」を求めるもの

日本と同じように少子高齢化が急速に進む韓国は、2004年に非熟練外国人労働者を政府の管理下で正規労働者として受け入れる『雇用許可制』を導入している。2007年には韓国系外国人(中国の朝鮮族・旧ソ連の高麗人)を対象として、就業できる職種を拡大する優遇策である『訪問就業制』も実施した。

一方、2000年以降、農漁村や都市低所得層の結婚難を背景に、業者の仲介による国際結婚が急増しており、外国人女性が大量に流入するようになった。その結果、2000年に49万人にすぎなかった外国人居住者(90日以上の滞在者)は、2012年には146万人(全人口の2.8%=2013年)と急増している。

ところが韓国の外国人政策は、“多文化共生”を目指すというよりは、韓国社会への適応を一方的に求める同化政策的な要素が強く、このためベトナムなどは自国女性と韓国人の結婚を禁止している。

翻って、安倍晋三首相のもと移民大国へとかじを切った日本は、他山の石としなければならない。

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