サリンジャーもヘミングウェイもいた! 1950年代のアメリカは文学の最強時代だ (2/4ページ)

新刊JP

それと、「MONKEY」の前には「モンキービジネス」という雑誌を別の出版社から出していたんですけど、それを始める時に、新しい情報を追うのはよそうと思ったんですよ。雑誌というと一般に、新作映画評があり、新作書評があり、新作CD評がありという感じで、新しいものばかりで「雑」じゃない。やるんだったら新作も50年前の作品も同じように取り上げたいという気持ちはあります。

表紙

――雑然とした多様性が欲しかった。

柴田:そうですね。その中で、本国でも活字になっていないくらい新しいものを出すとかね。そういうのならやっても楽しいかなと。

――最新号の見どころについてもう少しうかがいたいです。

柴田:1950年代アメリカの、一番クリエイティブだった部分が見える号になったと思います。先ほどもお話ししましたが、この時代の最良の作家の一人、ジョン・チーヴァーの短編を6本、エッセイを1本村上さんが訳してくれているんですけど、チーヴァーは白人男性だから、黒人も女性もいた方がいいということで、彼を囲むような形で、別の何人かの作品を僕が訳しています。この時代についての村上さんとの対談もぜひ読んでみていただきたいですね。

――1950年代と、年代で言われるとどんな作家が活躍していたのかイメージできないのですが、リチャード・ブローティガンなどはこの時代の作家ですか?

柴田:ブローティガンはもう少し後で60年代の人ですね。50年代はヒッピー・カルチャーやベトナム反戦運動が出てくる前で、公民権運動はもう始まっていますが、全体としては冷戦で息苦しかった時代です。

ただ、この時代の芸術は総じて水準が高いんです。たとえばジャズだと、1910年代から20年代に生まれて、30年代にダンスのためのスウィングジャズが出てきました。40年代にビーバップという破壊的な音楽が生まれて、一部ミュージシャンのあいだで技術が飛躍的に向上します。

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