週4日の労働実験が予想以上に効果が上がり、ニュージーランドで正式採用を検討
現在日本では週休2日、週5日労働が一般的となっているが、労働時間を短縮したほうが作業効率が上がるという研究結果も報告されており(関連記事)、就労時間の見直しを行っている企業も多い。
ニュージーランドのある企業が2ヶ月間、出勤を週4日にするという実験を行った。その結果、予想以上に良い効果が得られたために、その正式採用を検討しているそうだ。
・週4日労働にするけど、給料は変わないという実験
これまでも世界で数々の実験が行われ、週の出勤日を減らすと従業員に数多くのメリットがあることが示されてきた。
だが今回、ニュージーランド・パーペチュアル・ガーディアン社の試みで注目すべきは、従業員は4日しか労働しないのに、きちんと5日分の給料が支払われたことだ。
従来の管理の視点からは、そのような勤務システムは少々クレイジーにも見えるかもしれない。だが結果的に、企業にとってリスキーな賭けは報われたのだ。

・ストレスレベルが低下し、生産性も向上
3月と4月の8週にわたり、同社は240名の従業員が休むことになった日の分の給料をきちんと支払いながら、業務への影響を観察した。
実験を実施したのは、パーペチュアル・ガーディアン社とは独立したオークランド大学とオークランド工科大学の研究者だ。
彼らからの報告によると、実験期間中、従業員のストレスレベルが45パーセントから38パーセントに低下する一方、ワークライフバランスは54パーセントから78パーセントに上昇したという。
もちろん、休んでいるのにちゃんと給料が支払われるのだから、この結果は予想されていた。しかし意外だったのは、生産性への悪影響がまったく見られなかったことだ。
「リーダーシップチームの報告によれば、実験前と実験中では会社の生産高に大きな変化が見られなかった」と報告書では説明されている。
「仕事のパフォーマンスに低下は認められず、調査データはほとんどのチームにおいてわずかに上昇したことを示している」
・週4日勤務の方が会社にとっても従業員にとってもメリットが多い
事実上、週5日勤務だったときのパフォーマンスが4日で維持されていたのだ。それだけでなく、リーダーシップ、コミットメント、刺激、自信といった領域では従事レベルが有意に上昇していた。
「仕事への従事と満足度の大きな上昇ならびに同社で継続して勤務したいという従業員の意思の上昇が確認され、その一方で生産性に低下は見られなかった」
このように従業員と会社の双方にメリットがあったため、同社のアンドリュー・バーンズCEOは週4日勤務システムを今後も継続して採用するべきだと考え、取締役会にそれが提案されることになった。

・ただし長期間に及んだ場合の影響は不明
むろん、週4勤務が正式に採用されてからもこの実験の驚くべき結果が本当に維持されるのかどうかはまだ分からない。
だが、長時間せっせと働かなくてもいいとなれば、従業員にいくつものメリットがあるだろうことは疑いないだろう。
・世界的な労働時間短縮の流れ
従来の研究からはフルタイム労働が脳や精神衛生に悪いことが明らかになっていた。また長時間労働を強いられると生産性が低下することを示した研究もある。
こうしたことから、週4日勤務や労働時間の短縮によって生活の質を向上させることが提案されていた。仕事の時間が短縮されれば、深刻な健康被害を防ぐことができるためである。
ただ一つ、確かなことは、パーペチュアル・ガーディアン社のCEOがこの勤務形態を採用したことを後悔していないということだ。
「チームにいい環境を用意したいと願っていたので、何か試してみたいと思っていました。その結果、従業員のモチベーションが上がり、活力が出て、仕事に打ち込めるようになりました。データも従業員が会社を誇りに思えるようになったことを示しています」とバーンズCEOはインタビューで語っている。
References:nzherald / sciencealert/ written by hiroching / edited by parumo
もちろん業種や労働形態によって異なるだろう。また、どんなにがんばっても仕事量が多すぎて週5日でも終わらないというような、ブラック業務は論外だ。
だが、頭を使い、短時間で効率的に仕事を終わらせるように動いていけば、生産性を維持したまま、時間で終わらせることが可能な業務なら、給料は今まで通りだし、業務に拘束されている時間も減るし良いのかもしれない。