スマートスピーカーで話題の「音声技術」 専門家が語る課題と“体験”の重要性(後編) (4/4ページ)
――音声認識技術の実用化が進んでいる分野ですと、何があげられますか?
河野:コールセンターやサポートセンターなどでは聞き取りの分野で導入が進んでいます。ユーザーからの問い合わせを聞き取って、データベースに落としていくというのは効率的ですし、先ほど申し上げたように音声認識の精度の高さが十分に活かせます。
そこからAIや機械学習を使ってユーザーが話している内容の傾向と対策をつかんでいくという流れですね。トラブルも分類できるようになれば、オペレーション自体もAIができるようになるはずです。
――河野さんは音声インターフェースに対してどんな期待を持たれていますか?河野:インターフェースって適材適所なんです。音声UIだけ使おうとしてもダメで、それだけでは万能ではありません。別のもので課題を解決できちゃうことも多い。音声UIの使い方を間違えると意味がないし、失敗しちゃう可能性が高いということは懸念しています。今のところは、音声UIが一番活きる場所を自分の中で探っている段階ですね。
――その手がかりは見えていますか?河野:「ながら作業」にはあっていますよね、たとえばは病院など。私が以前、手術受けて手足が動かせない時間があったんですが、そういうときに声は使えるなと。利用シーン(ユースケース)をしっかり考えれば便利になることは多いです。
「スマートスピーカー」はそれぞれのメーカーがどこで儲けるか、どういうプラットフォームにしたいのか戦略を練って動いているので一言で言えないけど、そこに乗るサービスは少し吟味したほうがいいのかもしれません。最先端の技術を搭載したサービスばかりが話題になると、ユーザーが取り残されてしまいます。とにかくサービス乗せなきゃ、ではなくて「本当にユーザーのためになるの?」ということは常に考えたいですよね。
――最後に、『音声に未来はあるか?』をどんな人に読んでほしいですか?河野:まずは、これから音声UIを使ってビジネスやサービスを展開しようとしている方やアプリディベロッパーの方々に読んでほしいです。私の経験も書いてあるので、よく読んでもらって開発やビジネスに活用してほしいなと。
次に「スマートスピーカー」を買ったけれどいまいち使えていない方ですね。音声認識とAIなんて技術も成熟したなあと思っているかもしれませんが、実際は未熟であり、これからです。使えないというご不満はごもっともですが、その理由も書いているので、ぜひこれを読んで内実を知ってほしいですね。
最後にビジネスマンの皆さんに。こういう内容の記事や書籍は実はあまりないんです。なので、そういった方々にもぜひ読んで頂きたいと思っています。
(了)