スマートスピーカーで話題の「音声技術」 専門家が語る課題と“体験”の重要性(後編) (1/4ページ)

新刊JP

『音声に未来はあるか?』著者の河野道成さん
『音声に未来はあるか?』著者の河野道成さん

2018年上半期のトレンドといえば「Amazon Echo」や「Google Home」といった「スマートスピーカー」は欠かせません。人工知能(AI)が内蔵されていることから、いよいよ近未来のテクノロジーが本格的に日常に入り込んできたと期待している人も多いでしょう。

私たちの生活を変えるかもしれない「音声インターフェース」。その可能性と課題はどこにあるのか?
ソニー株式会社でユーザーインターフェースやネットワークに関する研究開発に携わり、音声UXデザインチームを作り統括。2014年に独立し、音声UI/UXデザインに関するコンサルティングや研究開発に携わる河野道成さんは、『音声に未来はあるか?』(日経BP社刊)で丁寧に現状を分析しながら、「課題は山積み」だと指摘します。

河野さんへのインタビュー後編ではAIと音声認識技術、そして河野さんが抱く「期待」についてお聞きしました。

(新刊JP編集部)

――インタビュー前編の終わりに「スマートスピーカーに対してがっかりするユーザーもいるかもしれない」と指摘されていました。ユーザー側にはAIに対して過剰な期待があるように思えますが、AIと音声技術の関係について現在はどのような状況にあるのでしょうか。

河野:AIは今、第三次ブームと呼ばれています。だいたい2010年頃から始まって、Apple社から「Siri」が登場し、機械学習やディープラーニングという概念が広がってAIを積極活用する流れが社会にできています。

音声認識の話でいうと、それまでは認識語彙が非常に少なかったんです。ただ、2010年以降、データベースにAIで使われている技術が流用され、大きく改善しました。だから私たちが普段話している会話ならばほとんど認識できるレベルになっています。
実は2000年よりももっと前から認識系のエンジンは研究されていました。ただ、精度が良くなったのは2010年以降ですね。ロボットの顔認識なんかも飛躍的に性能が良くなっています。

また、AIだけでなく、全体的な技術の進歩は欠かせないでしょう。

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