変わりゆく生活環境に翻弄され、その居場所を失いつつある仏壇 (2/2ページ)
これを閉眼法要と言う。閉眼法要を執り行った後のお仏壇は、‘物‘となり、もはやそこに魂はないゆえに、処分にためらうことはないだろう。ただ、それまで魂を守ってくださっていた、と思うと、簡単には捨てられないのが実情だ。そんな時には、仏具店に相談するのがいい。閉眼法要から一通り引き受けてくれるところもあるようだ。
■これからの供養の形
後先を考えるとお仏壇などを持たない方がいいのだろうか?もともと所有しているのならともかく、新しく購入することは、未来に荷物を残してしまうことになるのだろうか?そういったことから、近年は、手元供養やミニ仏壇など、供養の方法の選択肢が広がる。どれも現代の事情が考慮されていると思う。
そのほか、永代供養という選択肢もある。永代供養というのは、寺院や霊園に供養や管理を任せることであり、生前に自分で申し込めるというのが最大のメリットだ。これは、端的に言えば「迷惑をかけない」という思いが強く反映する方法かもしれない。家族や親族に迷惑を掛けないことが良いとされる風潮は、多少さみしい気もする。しかし、手入れが大変で手を合わせる意味を忘れてしまっては本末転倒である。
■信仰という名の心の在り方
お仏壇は、信仰の象徴であるご本尊様をお祀りし、日々のおつとめを通してご先祖様を敬う心を育むための拠り所のようなものだ。時代の流れによって変化するお仏壇の形に驚きを隠せずとも、仏教が教えてくれるこの世の儚さと様々な価値観を受け入れることで違和感を払拭する。たとえ、信仰の対象物をなくしても、供養する気持ちと感謝の念を持っていれば、それは必ずご先祖様に通ずるだろう。様々な問題を経てもなお、過去から現在へと引き継がれてきた背景にはいつも心がある。有形・無形を考える前に、手を合わせる意味を理解し、ご先祖様と未来へ繋がっていきたいものだ。