「夏の甲子園第76回大会」史上初!決勝戦で満塁本塁打を放った佐賀商 (1/2ページ)

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「夏の甲子園第76回大会」史上初!決勝戦で満塁本塁打を放った佐賀商

 過去に夏の甲子園決勝で満塁本塁打は3本飛び出しているが、その第1号を放ったチームが大会3日目の第1試合に登場する佐賀商である。この満塁本塁打は同時に佐賀県勢に、春夏通じて史上初めての甲子園優勝をもたらす記念碑弾となった。1994年第76回大会のことである。

 この大会は、開幕前に有力候補に挙げられたチームが次々に敗退するという波乱の大会となった。ベスト4に残った中で優勝候補の一角として名前が挙がっていたのは樟南(鹿児島)のみ。残りの3校は戦前にいずれも伏兵扱いされていた佐久(現・佐久長聖=長野)、柳ケ浦(大分)、そして佐賀商だった。

 ベスト4に3校が残るなど、九州旋風が巻き起こったこの大会。その中でも佐賀商は開会式直後の第1試合に登場し、浜松工相手に2年生エース・峯謙介の好投もあって6‐2で勝利する。この年の佐賀商はレギュラー9人中3年生が4人しかいないという若いチームだった。経験値が不足するチームだったが、甲子園初戦突破、しかも開幕戦での勝利ということもあり、ここから波に乗ったのだ。

 続く2回戦も関西(岡山)を6‐1、3回戦の那覇商(沖縄)戦も2‐1と鮮やかな逆転勝ちを収め、準々決勝の古豪・北海(南北海道)との一戦も6‐3と快勝。あれよあれよという間にベスト4へと進出したのだった。

 その準決勝の佐久戦。佐賀商は2回表に1点、最終回にも追加点の1点を許し、最後の攻撃を残して0‐2とリードされる苦しい展開となっていた。だが、その土壇場9回裏に追いつき、続く10回裏に劇的なサヨナラ勝ち。1回戦終了後に“調子のいい順”に大幅に並べ替えたという打順が効果的に得点を重ね、2年生エース・峯の投球術も冴えてはいたが、ここまで来るとただの勢いだけではない“神がかり的な強さ”が佐賀商には取り憑いていた。

 そして迎えた決勝戦。相手は優勝候補の中で唯一、ここまで危なげなく勝ち進んできた樟南となった。春夏の甲子園通じて史上初の“九州・頂上決戦”である。当然、戦前の予想は、前年から甲子園を沸かせていた福岡真一郎-田村恵(元・広島)のバッテリー擁する樟南の圧倒的有利。その予想通りに佐賀商は2回裏、樟南打線に峯が4安打を集中され3点を先制されてしまう。だが、佐賀商も6回表に反撃。

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