供養や弔いという概念が発生したのがいつ頃からなのか調べてみた (2/2ページ)

心に残る家族葬




■釈迦やキリストが生まれる前か後かによって変わる?

供養の有無について気になったので、関東一円の埋蔵文化財センターに電話取材を試みたところ、全て丁寧に対応して頂いたのだが非常に面白い回答を得た。それは、出土人骨が亡くなったのは旧石器時代や縄文時代ならば数万年前であり、弥生時代ならば数千年前の話であるために、釈迦やキリストは生誕しておらず、当然仏教やキリスト教もない時代に亡くなった人たちの人骨を供養する方法が無いからだとのことだった。回答を聞いた筆者は、思わず笑いだしてしまい担当者も同様に笑っておられた。確かにその通りであり、更に供養という言葉自体も仏教用語であったはず。故に弔うことも有る意味できないためにそのまま丁重に保管するしかないことにも納得した。

■最後に・・・

死者を弔うという概念が発生したのが何時頃かについては、考古学者達の意見を待つしかないが、最古の埋葬事例はイスラエルにて発掘された約一万二千年前の遺跡であるという。日本においても、縄文時代の遺跡から屈葬された人骨が多く発掘されているが、当然当時の死生観に関する資料は無い為に想像するしかない。今回調査をするにあたって、古代からの死生観の変遷を垣間見た気がして、考古学好きな筆者としては得難い体験であった。甥にも経緯を踏まえて回答したら面白いと喜んでいたので、二重に満足できた。

「供養や弔いという概念が発生したのがいつ頃からなのか調べてみた」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る