野生のキツネを犬のような従順なペットにするための交配実験から明らかとなった家畜化遺伝子(ロシア研究) (3/5ページ)

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 コペンハーゲン大学のグオジエ・チャン教授らは、2010年、このアカギツネの遺伝子を解析し、家畜化において中心的な役割を果たした遺伝子の特定に着手した。

 対象には、このロシアの2系統のキツネのほか、より中立的な行動を示す第三のグループも加えられた。

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従順になったキツネ
image credit:Kingston Photography for the JAB Canid Education and Conservation Center

 チャン教授らは、アカギツネの参照ゲノムを作り、従順キツネ10匹、攻撃的キツネ10匹、中立キツネ10匹のゲノムを解析。

 グループ間で最も差異の大きかった103の遺伝領域が特定された。チャン教授によれば、これらの遺伝子のほとんどは、行動か免疫機能に関連している。

 45領域が犬の家畜化に関与していることで知られる領域と重複しており、他の30領域はアカギツネの攻撃性に関与する部分と関連性があった。


・行動特性に関連する遺伝子「SorCS1」が関与

 だが特に注意を引いた遺伝子があった。SorCS1という行動特性に関連する遺伝子だ。

 これはグループ間で最も大きく異なっており、人工的選択の一番の印と考えられる遺伝子だとチャン教授は説明する。

 この遺伝子はこれまでよく研究されてきたもので、面白いことに、自閉症やアルツハイマー病など、人間の数多くの行動障害に関連することが分かっている。

 マウスを使った最近の研究によると、SorCS1は神経シグナリングに関与している(ゆえに行動や気質に影響する理由を説明しうる)。つまり、キツネの従順さや攻撃性にも重要な役割を果たしている可能性が非常に高い。
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