「私オバサンだから!」自虐する女の心理とは (5/5ページ)
「そうですね! その年齢で結婚できない女ってやばいですね!(笑)」と彼女たちの自虐を全肯定しようものなら、彼女たちに計り知れないダメージを与える上に、自分が悪者になってしまいます。かといって「そんなことないです! 本当に素敵です! 結婚したいぐらいです!」と全否定するのもストレスです。1回や2回ぐらいならまだしも、自虐する女の自虐はエブリデイの日常です。やっていられません。
とはいえ、ぬるいフォローだけでは不十分な場合もあります。例えば直属の先輩でコミュニケーションを毎日とらなければならなかったり、2人体制でチームを組んでいたりしている、といったケースです。彼女たちは「ネタ」「笑い」として自虐を出してきているので、あえて冗談風に自虐に同調したり、「私も非リアすぎてやばいですよー」と仲間意識を出したりと、「ネタとツッコミ」「ネタにネタをかぶせる」形におさめれば、自虐する女は安心します。しかし、この「ネタにならないものをネタ化する」には、空気を読む技術、言葉を選び抜く技術、反射神経など、芸人レベルのコミュニケーションスキルが必要なので、一般ピーポーにはハードルが高めなところが難点です。
結局のところ、彼女たちの自信喪失は、「いい歳して結婚できない女=みっともなく、笑われる対象」という「見下しマインド」が原因です。まわりが苦心して「大丈夫だよ」「自信を持って」とメッセージを発するよりも、彼女たち自身が自分で自分を苦しめる「見下しマインド」「呪い」に気がつくことが根本解決につながります。それまでは、適宜フォローしつつ、疲れたら距離をとりつつ、たまに愚痴を聞いたりして、彼女たちが自分にOKを出せるまで、辛抱強く付き合っていけばよいでしょう。
(文:ぱぷりこ、イラスト:黒猫まな子)