世界平和を願った「西郷どん」その(現代の政治家に足りない?)政治思想が凝縮された「西郷南洲遺訓」とは (2/4ページ)

Japaaan

「西郷どん」の予見した未来と、彼が遺した政治思想

さて、『西郷南洲遺訓』は41か条の教訓と2か条の追加、問答集と補遺によって構成され、現代でも十二分に通用する(むしろ現代の政治家に足りない?)政治思想が凝縮されています。

そのすべてを網羅するのはさすがに大変なので、いくつか印象的なものを紹介しますが、その一つ一つに厳しい国際情勢を直視し、日本の独立を死守する危機意識に満ちており、まるで150年後の未来(現代の世界情勢)を予見しているような鋭さが感じられます。

浮世絵・鹿鳴館の様子。

「八 廣く各國の制度を採り開明に進まんとならば、先づ我國の本體を居ゑ風教を張り、然して後徐かに彼の長所を斟酌するものぞ。否らずして猥りに彼れに倣ひなば、國體は衰頽し、風教は委靡して匡救す可からず、終に彼の制を受くるに至らんとす」
※意訳:諸外国からすぐれたシステムを採り入れる時は、まず我が国のあるべき姿・ビジョンを明確にしておいてから、それにマッチする部分を取捨選択すること。そうしないでやたらと外国かぶれに走ると、我が国は衰えてモラルが混乱し、最後は植民地のようになってしまう。

19世紀の版画・奴隷貿易の様子。

「一一 文明とは道の普く行はるゝを贊稱せる言にして、宮室の壯嚴、衣服の美麗、外觀の浮華を言ふには非ず。

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