「アマゾンへの取材はもうやめます」…その言葉の意味とは? 話題のノンフィクション『ノモレ』について聞く(下) (3/4ページ)

新刊JP

――ノンフィクションを読まれることはないんですか?

国分:ノンフィクションって時事性の高い本が多いじゃないですか。でも、僕はあまり関心がないんです。だいたい予想通りだから。でも、読んでも分からないものなら読みたい。例えば麻原彰晃とか。殺人者に話を聞くというテーマをあげたのもその理由です。

事件や物事の構造を明らかにするという類はNHKスペシャルの得意技ですし、視聴者からのニーズもあります。ノンフィクションとしては正しい。けれど、僕は構造を明らかにすることに関心がない。関心の幅も年齢とともに狭まっていますし、ディレクターとしては失格かもしれません。

――(苦笑)では、海外の取材などで長期に日本を離れる際に持っていく本ってどのように決めていますか?

国分:行く場所は決まっていますから、そこで読んだら面白いだろうなと思う本を選んで持っていきます。もちろん、あちらに行ってから読んで「つまらない」と思うこともあるけれど(笑)。さすがにロシアのドン川のほとりで『静かなドン』を読んだときは長過ぎて飽きました。

――『静かなドン』ってすごく長いですよね。

国分:ドン川のほとりに1ヶ月いるから、読もうと思うでしょ。でもちょっと長すぎましたね。でも、ダメなときばかりじゃなくて、南米の取材のときに持って行く本はだいたい良いですよ。

――「これはジャストフィットした!」という本はありますか?

国分:南米文学は日本だと読めないけれど、取材先だと読めるんですよ。ガリンペイロの取材に行ったときは、それまで苦手だったバルガス=リョサにハマってしまって、『世界終末戦争』を3回読みました。リーダビリティが高い本を持っていくと仕事にならなくなっちゃうので、自分にとって難しくて通勤のときには読まないような本を持っていきます。

――では最後に、『ノモレ』について読者の皆様にメッセージをお願いします。

国分:「あとがき」に書いたことが全てで、それ以上のものはありません。ロメウがずっと川岸に立ち続けることに対して、おかしいと思ったり、したり顔で批判する人もいるかもしれない。それでもなお彼は立ち続ける。その行為について自分は書きたかったのだと思います。

彼が一体何を背負っているのか。

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