昨季7位の上智大、入替戦出場の武蔵大と引き分ける。関東大学対抗戦Bも熱い!

ラグビーリパブリック

この日2トライの上智大CTB中矢健太。後半30分過ぎにはインターセプトから走った。

j2

チームを引っ張るSH奥野悠主将。父・芳彦さんも上智大ラグビー部OB。

j3

思い切りのいい走りを見せる上智大WTB櫻澤耀平。

 いきなり熱戦が相次いだ。

 9月9日の早大×筑波大で開幕した関東大学対抗戦。Aグループの同試合は55-10と大差がつくも、Bグループでは好ゲームが繰り広げられた。

 立大×学習院大こそ83-5と一方的だったが、明治学院大×東大は38-23。昨季のスコアは103-0だった。

 一橋大×成城大は10-7の僅差だ(昨季も22-21と競る)。

 武蔵大×上智大は引き分けだった。

 武蔵大は昨シーズン躍進。Aグループとの入替戦でも青山学院大に肉迫し、試合終了直前までリードした(最終スコアは20-24)。昨季の上智大戦は98-7と圧倒している。

 1年前はそんな力関係だったが、今年は26-26だった。

 1勝6敗。昨季は8チーム中7位と沈んだ上智大にとっては、この先の戦いを照らす明るい材料となりそうだ。

 キャプテンのSH奥野悠(4年/おくの・ゆう)は80分を振り返って「やってきたことは間違っていなかった」と語った。

 前半は5-12。フィジカルで上回る武蔵大が先に2トライを奪うも、上智大はラインブレイクから1トライを返す。守っても、オフロードパスを使おうとする武蔵大の選手たちの間に体を入れて対抗した。

 後半も先にトライを奪ったのは武蔵大だったが、走り込んでシーズンを迎えた上智大がフィットネスで優位に立った。

「相手フロントローの足が止まったように感じました」と言う奥野主将は、仲間たちが「RTA」を意識して動き続けているのを感じた。

「リターン・トゥ・アクション。倒れてもすぐ立ち上がり、動こう。それを徹底してきました」

 順目に攻め続けて好機を得た。

 FWがゴール前でピック・アンド・ゴーをくり返し、トライラインを越えた(12-19)。

 LO藤井優佑のオフロードパスを受けたHO保坂歩がインゴールに入ったのは後半20分頃。19-19に追いついた。

 後半30分過ぎ、CTB中矢健太がインターセプトから走り切り、26-19とリードを奪う。

 ただ、直後のキックオフレシーブからのプレーが悔やまれた。

 自陣脱出がうまくいかずに攻め込まれる。結果、最後に追いつかれた。

 しかし、この先の戦いへ向けて、自分たちのスタイルを再確認する試合となったのは間違いない。

「勝ち切れなかった試合運びは課題ですが、本気で勝ちにいったからこその結果でした。誰も去年の大差負けのことなど意識することなく、最後まで走り続けていました」

 試合をそう振り返った奥野主将は、父の仕事の関係で生後10か月でインドへ。ラグビーを始めたのはバンコク(タイ)で暮らしていた頃で、現地駐在員たちが活動するバンコクジャパニーズクラブで楕円球を追い始めた。

 帰国後、しながわバンブー(ラグビースクール)に所属し、中学時代はフィリピンのマニラ・ハポンズでプレーを続ける。中学3年時から茗溪学園に学び、高校でも同校のラグビー哲学を学んだ。

「(入学以来一度も勝っていない)一橋大に絶対に勝ちたい。そして、入替戦に出たい」

 キャプテンは言葉に力を込めた。

 手応えととともに、「すべての状況で走り続けないと勝てないことも分かった」と、勝者になるための大切な感覚も得た。

 今季のチームスローガンは「徹底」。奥野には、それを自ら実践し続ける覚悟がある。

「昨季7位の上智大、入替戦出場の武蔵大と引き分ける。関東大学対抗戦Bも熱い!」のページです。デイリーニュースオンラインは、スポーツなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る