みんな何気なしに使ってる?江戸時代から引き継がれてる「江戸ことば」の特徴とは?

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みんな何気なしに使ってる?江戸時代から引き継がれてる「江戸ことば」の特徴とは?

江戸ことばというと、現代の私たちが話す言葉とはまったく違うものかと思いきや…実は江戸初期から引き継がれているものがあるのです。

江戸ことばに関してはこちらの2つの記事もご覧ください。

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江戸ことばはいかに早くしゃべるか

あんよ(歩く)」「おんり(降りる)」「ぽんぽん(おなか)」「ねんね(寝る」などは、江戸時代からある言葉なんですね。乳幼児のいる家庭では、よく使う方も多いのではないでしょうか。

どの言葉にも共通しているのは、「」という撥ねる音(撥音便)を入れていること。これによって、撥音を早めることができるのです。もちろん、子供にわかりやすく工夫したことも考えられます。

江戸ことばの特徴は、「いかに早くしゃべるか」。せっかちな江戸っ子らしいですね。だから、とにかく「音便化」が多いのです。

歌川広重「東海道五十三次 品川」

先ほど登場した「ん」になる撥音便のほかに、ことばの一部が「」になる促音便、イ音便化するものも。「そいから(それから)」、「勝って(勝ちて)」、「いやなこった(いやなことだ)」など。「ai」のことばが「e-」に変化するのも、江戸ことばならでは。

「だいこん」は「でーこん」に、「入る」は「へーる」になるのです。母音が重なると、しゃべるのがモタモタしてしまうのが嫌いだったのでしょう。荒々しく威勢が良い感じともいえますが、関西の人からしてみると、ことばがきついと感じることもあったとか…。

「しゃ、しゅ、しょ」「じゃ、じゅ、じょ」

そうそう、江戸ことばは「しゃ、しゅ、しょ」「じゃ、じゅ、じょ」もことばは、はっきりと発言しません。

おなじみの「新宿」は「しんじく」、「お師匠さん」は「おしさん」まで短縮されました。なのに、「」は「さけ」と言わず「しゃけ」と呼んでいたそう。

これにはいくつかの説があり、ほかの地域が「さけ」と呼ぶからとか、「酒」と呼び名を区別するから、とか言われていましたが、真相は定かではありません。

歌川広重「東海道五十三次 日本橋」

かつて「坊ちゃん」の意味は違った

また、今も使われている江戸ことばの中に、言葉の意味はかつてと変わっているものがあります。「坊ちゃん」という言葉も、その一つ。

今は、いいところの世間知らずのお坊ちゃんという意味ですよね。ところが、かつては、女の子にも「坊ちゃん」と言っていたとのこと。なぜ、女の子なのに?と思うのですが、そもそも「坊ちゃん」は髪型から生まれた言葉なのだそう。

江戸時代の子供の髪型は、「前髪を伸ばし後ろ髪はちょっとだけ伸ばして束ね、頭頂部は剃る」のが定番スタイル。その髪型が、坊さまと親しまれる僧侶に似ていたので、「坊ちゃん」と呼ばれるようになったのです。

このほかにも、今でも使われている江戸ことばはいっぱい。ことばのルーツを調べることで、当時の様子が垣間見えますね。それにしても、江戸っ子はほんとにせっかちですねぇ。

参考文献:知って合点 江戸ことば

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