花園ラグビー場、改修終了。2022年には「マスターズ花園」開催も。

ラグビーリパブリック

東花園駅から歩いていくと見えてくる南スタンド。10月26日のこけら落としにはライトアップされる。(撮影/毛受亮介)

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ワールドカップでチームが使用するロッカー。今年度の高校大会でも準決勝から使用できる。(撮影/毛受亮介)

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バックスタンド下に新設された高校大会用のロッカールーム。シャワールームもある。(撮影/毛受亮介)

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南側スタンドから北側スタンドをのぞむ。(撮影/毛受亮介)

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大幅にリニューアルされた花園ラグビーミュージアム。(撮影/毛受亮介)

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ミュージアム内は、近鉄ライナーズ、高校大会の展示が充実しているのも花園ならでは。(撮影/毛受亮介)

 来年日本で開催されるラグビーワールドカップのための改修を進めていた東大阪市の花園ラグビー場が、1年8か月にわたる改修工事を終え、9月20日に報道陣に公開された。

 1923(昭和4)年に生まれた花園ラグビー場が「国際基準」に大きく生まれ変わった。

 主な改修項目は、座席、大型映像装置、ナイター照明の設置、南側サイドスタンドの増設、ロッカールームの改修など。総工費は72億6千万円。社会資本整備総合交付金から17億4千万、日本スポーツ振興センター助成金が11億8千万、寄付金が2億4千万円のほか、東大阪市が41億円を負担した。

 これまでベンチ形式だったバックスタンドの座席は、全席セパレートタイプに。これに伴い、収容人員は2万6千544人となった。改修前は3万人だったが、これはベンチの座席で一人30㌢を基準にして計算した数字で、実際に3万人入ることは厳しかったという。今後、現在はまだある立ち見席もセパレート式座席に改修を進めると、W杯開催時には2万4千人前後の収容人員になる。

 照明装置も、4本の照明柱と屋根からの照明で最大出力2000ルクスと、W杯の定めるレギュレーションをクリア。ゴールポストの高さも13㍍から17㍍に延びた。映像装置も、W杯時にはもう一基設置される。

 ワールドラグビーが求める条件を満たしただけではない。花園を目指す高校生の使い勝手も良くなった。

 これまでメインスタンドの下にあったロッカールーム(16か所)を分け、メインを10か所、バックスタンドの下に6か所新しく設置した。これで第2、第3グラウンドで行われる試合への移動も短くなる。

 W杯出場チームが使うロッカールームも新しくなったが、こちらも全国高校大会準決勝から使える。ベスト4に入れば、W杯にさきがけて使用できることになる。

 東花園駅から向かうと正面に見えるのが南側スタンドだが、スタンドを増設しこれまでよりも入場口を前方に出したため、南側スタンドから入場する観客にとっては、かなり大きくなった印象を持つはずだ。

 観客用トイレも全てがウォシュレット。ユニバーサルトイレも設置された。車椅子での観戦も、南スタンドから入ってすぐのところにエレベーターが増設されたため、これまでより動線がスムーズになった。

 特筆すべきは「花園ラグビーミュージアム」のリニューアル。南側スタンドの正面に位置する。日本ラグビー、花園ラグビー場の歴史に始まり、花園をホームとする近鉄ライナーズ、高校、大学、社会人などの国内チームのジャージーやペナントを展示。VRゴーグルで映像も楽しめる。英語表記も進めるという。

 これで花園ラグビー場は名実ともに日本ラグビーの聖地にふさわしいラグビー場となった。2023年には花園を目指した元高校生選手を対象とした「マスターズ花園」も開催される。

 会見に出席した野田義和市長は「今後はスポーツと街づくりをテーマに、ファンや選手だけでなく、市民のみなさんにも親しまれる花園にしていきたい。W杯は一生に一度ですが、生涯つきあっていける花園を目指したい」

 こけら落としは10月26日(金)、日本代表対世界選抜戦。実際に自分の目で、生まれかわった花園を確かめてほしい。

(文/森本優子)
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