長嶋茂雄、王貞治…レジェンドたちが認めた「至高のプロ野球選手」 (5/6ページ)

日刊大衆

そんな稲尾の頭脳的な投球によって、野球の真髄を教わったとまで称賛していました」(前出のスポーツライター)

■本気の怪物・江川卓は打てない

 クレバーな大投手といえば、怪物・江川卓も忘れてはいけない。当時の巨人番記者は、こう語る。「江川は常々“理想は27球で試合を終えること”と公言していました。その根底にあるのは、エースとして先発完投するという意識。豪腕投手ですが、力をセーブしても抑えられる高い投球術も持っていたんです」

 江川は常に全力投球しているわけではない――これを目の当たりにしたのは、巨人の鹿取義隆GMだ。鹿取は大学時代、江川と対戦した試合で驚嘆させられた出来事があったという。「鹿取がランナーとして二塁に進んだとき、そこから江川の投球が一変。それまでとはまるで違う、すさまじいボールを投げ込んだといいます。それを見て鹿取は“本気の江川は打てない”と感じたそうです」(前同)

 江川が全力投球するのは、得点圏にランナーを背負ったとき。今風に言えば“ギアを上げる”投球だ。江川の現役当時、下位打線によく打たれて“手抜き”といわれた背景には、こんなエース哲学があったのだ。

 最後に紹介する「真のエース」は野茂英雄だ。トルネード投法から繰り出される剛速球と落差の激しいフォークボール。長嶋は野茂を社会人時代から大絶賛していたという。「“あのフォークは絶対に打てない。クローザーにすれば100%成功する”と断言していましたね」(同)

 野茂は8球団競合の末、1990年に近鉄入り。いきなり18勝で最多勝を獲得するなど、投手タイトル総なめの大活躍で、1年目からエースの座についた。当時は西武黄金時代の真っ只中。野茂の代名詞とも言えるフォークボールは、最強打線を苦しめた。

「長嶋茂雄、王貞治…レジェンドたちが認めた「至高のプロ野球選手」」のページです。デイリーニュースオンラインは、埼玉西武ライオンズ野茂英雄野村克也松井秀喜王貞治スポーツなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る