PR眞壁貴男、スクラム修正で勝利に貢献。リコー、事務機ダービー制す。 (2/3ページ)
「試合中にうまく修正できました。きつい時間帯もあったけど、落ち着いて対応できた。ミスがあっても、『次』と切り替えた」
スクラムについても語る。
「相手の1番(東恩納寬太)がプレッシャーをかけてくるのは分かっていたのに受けてしまった。それが序盤でした。相手は(互いのフロントロー間の)ギャップを詰めてきていました。レフリーに『調整してほしい』と言ったのですが、『組めているから』(いいだろう)と。そこで僕らもギャップを詰めたら安定しました。で、自分のサイドが上がれると思ったので、出ました」
試合の中での対応力こそ、チームと個人の成長の証だろう。
今季が入社4年目の眞壁。立大時代はトップチームから誘いの声がなかなかかからず、合同トライアウトに参加し、チャンスをつかんだ。よく動ける。機動力を評価されての採用だった。
しかし、トップリーグの壁は厚かった。
周囲とのスタンダードの違いを強く感じた1年目。パワー不足は明確で、ボールキャリーで前に出られず、防御でも苦しんだ。リーグ戦の出場はならなかった。
その反省をもとに時間をかけて体を作った。2年目、3年目、試合出場時間を増やす。
「ただ両シーズンとも、ケガで試合に出られない時期がありました」
4年目の今季、開幕からここまで全4試合に先発出場。今季の目標である全戦出場に向けて好調を保っている。
がっちりと出場機会をつかめている理由を、本人は課題の克服が進んでいるからと話す。
「防御のときに足が止まるクセがありました。相手を見てしまう。同じ課題の人たちとトレーニングを積みました」
意識と技術を変えて、前へ出られるようになった。
スクラムも改善を加えている。
「去年まではお尻を割って内に入る組み方(頭が内側に入り、お尻がHOから離れて外に向く形)になっていました。それをHOに寄るようにして、お尻もくっつけるようにしました」
自分だけの組みやすさだけでなく、一体感を優先するようにして信頼と安定感を得た。
少しずつ進化を重ねる眞壁。しかし、変わらず持ち続けているものこそが、小さな体でもFW最前列で戦えている理由だ。