『Amazon』日本法人の税金「激安過ぎる!」問題

まいじつ

Graphs / PIXTA(ピクスタ)
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2016年に『パナマ文書』、翌17年に『パラダイス文書』が流出し、著名人たちのタックスヘイブン(租税回避地)を利用した課税逃れが明らかになった。

国税庁も他国の税務当局との情報交換や連携を強化し、将来的には、非居住者(個人・法人など)が、自国に持つ金融口座の残高や彼らの個人情報を交換し合う仕組みも始まる予定だ。

「ただし国税局の税務調査の件数には限界があって、毎年すべての法人を調査することはできません。そのために重点項目を定めて、そこを徹底的にたたきます。その対象が近年では、国際的な取引のある法人や個人なのです。国税庁内に、新たに国際課税の役職を設置したり、国際取引を行う可能性の高い富裕層の情報を収集するプロジェクトチームを全国に拡大や増員したりもしています。また、今後は国税局だけでなく、税務署にも国際税務の専門官を置く予定です」(国税担当記者)

ところが、その国税も手を焼いているのが、インターネット通販大手の米アマゾンといった世界規模で事業展開するIT企業だ。

「各国の税制の違いなどを利用したこれら“節税企業”の節税策に、打つ手がないからです。日本も苦慮しており、来夏、日本で開かれる主要20カ国・地域(G20)の会合で対応策を主要な議題としたい考えを示しています」(同・記者)

知的財産使用料で課税対象を圧縮

アマゾンは17年、日本国内で119億米ドル(約1兆3415億円)を売り上げた。5年前の1.5倍の規模に達しており、大手百貨店の高島屋の売り上げをしのぐ規模だ。決算公告で確認できる14年は売上高79億米ドル(約9469億円)で、日本法人が支払った法人税は約11億円。単純比較はできないが、同規模の売上高を持つ国内小売りの10分の1以下しかない。

「米アマゾンの販売システムは知的財産に当たるとして、日本法人から多額の『使用料』を受け取っています。これで課税対象となる日本法人の所得が圧縮され、法人税額が大きく減っているのです。日本の国税関係者も『もうけが使用料に食われている』と指摘していますが、日米租税条約で米国企業に支払われる知的財産の使用料に課税できない決まりもあり、税務当局は打つ手がないのが実情なのです」(同)

アマゾンは便利だが、課税強化で日本を去られるのも痛しかゆしだ…。

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