ボクシング・山根明前会長「“殺すぞ”と、背中に銃口を突きつけられた」120分インタビュー (3/3ページ)

日刊大衆

 金だけじゃない、命だって削ってきたんです。海外ではね、ボクシングは賭けの対象でしょう? 選手の勝ち負けが観客の懐に影響するんです。一度、法政大学の学生の試合の引率でタイに行った際に、銃で撃たれたこともありますよ。ゴングが鳴ってレフリーが試合を止めた瞬間にタイの選手がパンチを出してきてね、KOになったんです。それでタイの選手が勝ったことに納得がいかず、リングに上がって抗議したんですよ。

 結果、判定はひっくり返った。そのことに激昂した客が私に向かって撃ったんです。それだけじゃない。客ならまだしも、ギャンブルの対象ということは、興行関係者だって、それなりの筋の人間が多いんです。“殺すぞ”と、背中に銃口を突きつけられたことだってありますよ。私はね、そうやって日本のアマボクシングのために命を張ってきた。

 選手だって、そうした体質が残る中で戦わないといけないんですから、強いだけではチャンピオンにはなれません。五分五分だったとき、プロの世界ではドローがあるけど、アマチュアでは各国の審判員が○×をつけて勝敗が決まる。その際、国同士の力関係が影響するんです。金があれば金、なければ、顔がものを言う。だから私は命を懸けて、“男・山根”の顔で日本の影響力を高めてきた。

 村田(諒太)もよく頑張ったけど、頑張るだけではメダルは獲れない。彼がロンドン五輪で世界王者になれたのは、連盟の力関係が影響したことだって確かなんです」

 実際、2012年のロンドン五輪の際、日本の清水聡選手については、アゼルバイジャンの選手を6度もダウンさせながら一度は判定で負け(抗議によって後に覆る)になっている。その理由も、相手国がAIBAに多額の金を支払っていたからではないかという疑惑がある。

 山根氏いわく、今回の騒動で取り上げられた問題の一つ「奈良判定」のようなことは、世界の舞台では日常茶飯事なのだという。

 一方で、世界の“一筋縄ではいかない面々”と対等に渡り合う山根氏に対し、山口組との関係にも注目が集まった。現在発売中の『週刊大衆』10月8日号では、さらに山根明前会長の深層に迫ったインタビューを掲載している。

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