マリア観音、オラショ…。隠れキリシタンたちに受け継がれてきた独特の文化を3つ紹介 (2/3ページ)
元々観音菩薩は男性ですが、慈母観音の発祥の地である中国で女性の姿に変化したのです。
そういえば、神奈川県に鎮座する胸から上だけのインパクト大の大船観音は、マリア観音に少し似ていますよね。
リア観音/Wikipedia
また胸にキリスト教のシンボルである十字架が彫刻されている、開くと中に小さな聖母マリア像があるなど、工夫が凝らされているものもありました。
弾圧されても信仰の灯を絶やさぬように!という隠れキリシタンたちの思いが伝わってくるようです。
隠れキリシタン独特の祈りは「オラショ」と呼ばれています。その語源は、ラテン語のオラシオ (oratio)で、祈祷文を意味していました。
オラショには日本語やラテン語などが混ざっていて、ちょっと耳にするとキリスト教の祈りでありながら、まるで仏教のお経を聞いているようにも聞こえてきます。
元々カトリックの祈りやミサの儀式には定型文が用いられることが多いのですが、このオラショも300年間あまりにわたって口伝えに伝えられた呪文のような定型の祈りです。ただし、その意味や内容まで理解した上で唱えている人はあまりいないのだとか。