木下ほうか「でも、やめようとは思わない。好きですから」天職で楽しみ、苦しむ人間力 (1/2ページ)

日刊大衆

木下ほうか「でも、やめようとは思わない。好きですから」天職で楽しみ、苦しむ人間力

 今、『チア☆ダン』という連続テレビドラマに出させてもらってるんですが、若い人たちのエネルギーというのは美しいですね。高校のチアダンス部をテーマにしたストーリーだから、踊るシーンがたくさんあるわけですが、チアダンス部員役の子たちは出番がないときもずっと練習してる。彼女たちの無垢な姿を見ていると、胸がジーンとしますね。ああ、僕は汚れた大人になっちゃったな、と。

 僕の役どころは学校の教頭であるとともに、佐久間由衣ちゃんのお父さん。全国から「そんなにビジュアルが違う父娘はおらんやろ!」という声が聞こえそうですが、そこはまぁ、お母さんが美人やったということで(笑)。僕自身は結婚していないから、娘というのがよく分からない部分もあるけれど、みんなで踊っているシーンも由衣ちゃんばっかり目で追ってしまうんですね。これが父親というものなのかと、疑似体験させてもらってます。

 僕の高校時代は……中途半端な大阪のヤンキーでした。パンチパーマかけて暴走族のまねごとをして、でも定期テストの前にはちょこちょこっと勉強もしてしまう。父親が建築事務所をやっていたけど、継ぐとなったら難しい国家試験を通らなくちゃいけないから無理。かといって他にやりたいこともない。本当の不良になる勇気もない。何もない……というのが、当時の僕でした。

 転機になったのは、新聞で見つけたオーディション告知。大阪で不良映画を撮るっていうんですよ(『ガキ帝国』井筒和幸監督)。芸能界に憧れる気持ちがあって、軽い気持ちで応募したら受かってしまった。撮影現場がうれしくて、自分の出番がない日も現場に通ってました。

■撮り終えても「もっとやれたんじゃないか」と後悔する

 何もなかった僕が、初めて「これや」と思ったのが、役者という仕事だったんです。以来、長いことやってきましたが、最近つくづく「好きだから、ずっとやってるんやな」と思いますね。

 一番好きなのは、新しい作品の台本を受け取る瞬間。「こんな役をやれるんや!」とワクワクします。その次が、完成した作品を観るとき。共演者やスタッフと飲みに行って、しゃべるのも大好きですね。でも、撮影そのものが楽しいかと聞かれたら、けっして楽しくはない。

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