笑顔なき勝者。王者サントリーが加速できない。 (2/2ページ)
タラレバで、あそこでこうしておけば良かった…と言ってるようでは、まだまだなんです」
次戦の対サニックスに向け、ふたたび準備を進める。
キャプテンは、今季、チームが波にのれない理由について、こう考えている。
「単純なミスをする。インディヴィジュアルなミスも多い。サントリーのスタイルは、ボールをしっかり持ってアタックするラグビーだからミスをするとうまくいかないのに、それをくり返している。スローフォワードじゃなかったら、パスがそれていなかったらではなく、そこを突き詰めないとファイナルに行けてももっと苦しむ。スキルにもメンタルにもスキがあるからミスが出る。ここまでそんな状態で来たことに、(主将として)責任を感じています」
ただ、「下を向いていても仕方がない。(レギュラーシーズンの)残り2試合でどう成長できるかが大事」と続けた。
この試合のラストシーン。残り1分、PKから速攻を仕掛けたサントリーはフェーズを重ね、フルタイムを知らせるホーンが鳴っても攻め続けた。
しかし相手の手にパスが当たってボールはこぼれ、ノックオン。そこで笛が吹かれた。
そのときの心境をキャプテンは「トライを取る。それだけでした」と話した。
「そういう気持ちでいましたが、そのときピッチに立っていた15人全員がトライを取りたい、取らないといけないという気持ちになれていたかというと、そうじゃなかったから、ああいう終わり方になったと思います」
NO8ショーン・マクマーンなど主力にケガ人も少なくない。
「そのとき調子がいい者を起用する」(沢木監督)セレクションポリシーはぶれない。
日本人選手を鍛え、強くする方針も同様だ。
それでも、加速できない2連覇中の王者は、言い訳を探さない。ベクトルを自分たちに向け続ける。