役に立たない「リサーチ」と「データ分析」はなぜ生まれるのか? (3/4ページ)

新刊JP

ここ数年、データサイエンティストの重要性が高まっていますし、データ・ドリブンという言葉も広まっていますが、データ分析を組織の中で行えるメリットはどこにあるのでしょうか。

中野:マーケティング担当者や意思決定者がそのときに自分のほしいデータや分析結果を得られますから、必然的に意思決定が速くなりますよね。ビジネスのPDCAが高速化する。とにかく現代は変化が速いですし、生活者の価値観の変化も速いですから、そのスピードについていけるようになるという点は大きいと思います。また経験や勘ではなく、数字やファクトベースで議論することで客観的な視点を持てるようになるので、意思決定の精度が高まるという利点もあります。

――先ほど中野さんがおっしゃられていましたが、本書でも「目的設定が最重要」とあります。これが抜け落ちていることが多い、と。

中野:順序立てて説明しましょう。例えば、「費用高騰の原因を調べてほしい」「商品AとBの売上不調要因を調べてほしい」といういくつかの課題があったとします。その課題解決のためにデータ分析が必要になりますが、課題に取りかかる優先順位はビジネスインパクトの大きいものから。これが鉄則です。

続いてすべきことが「目的設定」になります。「課題を解決するためにリサーチをしましょう」となったときに、「じゃあデータを集めてきます!」とすぐ動いてしまうことが多いのですが、これはNGです。

どのような意思決定をいつしたくてこのデータ分析がしたいのか、データ分析した結果どんな事を明らかにしたいのか、そして明らかにした結果をもとにどんなアクションを想定しているのか、こういった部分をリサーチ開始の前に詰めないといけないということです。

――目的を設定しなければ、なんとなく関連するデータを出して「どうでしょう」「ふーんそうなんだ」でやりとりが終わってしまいがちになる。

中野:まさにそうです。私は意思決定をする立場にいますが、目的設定が上手くいっていないと、意思決定者がより速く解決すべき課題だと思っているものに対して、ずれたデータ分析やファクトの説明があがってきてしまう。

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