新庄剛志「清原和博さんに勝ちたい!」天才インタビュー
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どんな大物相手でも、媚びない、ぶれない、止まらない! 日本が世界に誇る“大スター”は、どこまで行ってもフリーダム!
ド派手な言動とパフォーマンスで、球界を沸かせたスーパースター・新庄剛志氏(46)が、これまでの人生を振り返った自叙伝『わいたこら。』(学研プラス)。そこには、大金をだまし取られた“しくじり”をはじめ、「予知能力がある」「野村監督が好き」「すべて計算づく」など、驚きの記述が盛りだくさん。その真相を本人に直撃した!
「清原(和博)さんの本『告白』(文藝春秋)は、10万部でしたっけ? アレには勝たなきゃいけないね。やっぱり野球じゃかなわなかったから、本では大先輩の清原さんに勝ちたい。清原さんも、あんな“しくじり”をしていますけど、きっとハートが弱かったんですよ。あの世代の高校球児って、先輩からいじめられていたじゃないですか。僕もそうでしたけど、野球がうまいと、なおさらいじめられる。だからプロに入って、もういじめられないように“番長”になりたかったんでしょうね。弱い心を強く見せるために……。雑誌では仲がいいとか書かれたりしますけど、清原さんの電話番号も知らないし、飲みに行ったこともない。僕からしたら、清原さんはスーパースター……っていうか、もうムービースターですよ(笑)。僕は誰と会っても緊張しないんですが、清原さんクラスになると話は別。それぐらいスゴイ存在です。
一方で、よく仲が悪いと書かれていた野村(克也)さんとは、実はめちゃくちゃ仲がいい。意外に気が合うんですよね。ただ、日ハム時代は楽天の監督だった野村さんと“仲悪く見せましょう”って話していた。パ・リーグを盛り上げるために、いつも2人でケンカして、マスコミを使って舌戦をどんどんやろうと。そんなことを、2人で食事をしながらミーティングしていましたね。僕が何か思いついて野村さんを食事に誘うと、“分かった”って来てくれるんですよ。そうやってパ・リーグを盛り上げて、日ハムは日本一にもなった。メジャーから戻ってくるとき、3球団から誘いがあったんですけど、そこで日ハムを選んだのは、僕の“先を読む直感”あってこそだったのかなと思うんですよね。
僕ね、何かを引き寄せちゃうところがあるのか、“明日、地震来ますよ”って言うと、100%当たるんです。これまで予言した次の日には、必ず地震が来てる。ヤバいでしょ(笑)? “9・11”のときには、前日に(テロの被害を受けた)ツインタワーにいましたし、バリに移住したら火山が噴火しましたからね。
ただ、周囲に危ないことが起こっても、僕は絶対大丈夫なんです。だから一緒にいたら安全ですよ。日ハム時代、飛行機移動のときには、他の選手たちが“新庄さん、いる?”って毎回、確認してましたもん。僕が乗っていると飛行機が落ちないって知っているから。
■『オーラの泉』で美輪明宏と江原啓之が「まぶしい」と…
昔、『オーラの泉』(テレビ朝日系)ってテレビ番組に出ていた美輪(明宏)さんと江原(啓之)さんが、“これまでのゲストで、一番オーラがあった人は誰ですか?”と聞かれて、2人とも“新庄さん”って即答したらしいんですよ。僕が番組に出たとき、収録が始まっているのにずっと、お2人が全然、目を合わせてくれない。だから、途中で“なんで僕の顔を見てくれないんですか?”って質問したんです。そうしたら、“あなたの右手から出ている金粉がまぶしくて見られない”って。15メートルくらい、右手からオーラがボーンって上がっていたらしいです。美輪さんは収録が終わった後に、控え室に来て、いろいろ話をしてくれました。《あなたは離婚する》《野村さんに気をつけて》《日本ハム、優勝するわよ》 これ、全部当たりましたからね。美輪さんって、すごい人なんですよ。
この中の《野村さんに気をつけて》も、思い当たる話がちゃんとあったんです。僕が日ハムに入った次の年、野村さんが楽天監督に就任したんですが、野村さんは仙台を盛り上げるため、新庄の力が必要だと思ってくれたらしい。だから“新庄に大金出して、日ハムから奪い取れ”と指令を出した。当時の僕は、めっちゃお金持っていたから。たった数億程度で動くことはないけど(笑)、野村さんとは仲が良かったわけです。それでも直感で、美輪さんの《気をつけて》のほうを取った。もし行ってたら、日ハムで優勝することはなかったし、やっぱり間違っていなかったですね。
僕は自由気ままに行動しているようで、めちゃくちゃ考えるタイプ。だから実は全部、計算あってのパフォーマンス、計算あっての発言、なんですよ。よく“スターな自由人”として長嶋(茂雄)さんに似てるといわれるんですが、長嶋さんは自由人というより“天然”。天然と自由人は、ちょっと違うんですよ。いや、長嶋さんが嫌いなわけじゃないですよ? あくまで“区分”の問題。天然の人って、思考より感覚で行動するじゃないですか。でも僕の場合は、アタマで十分考えたうえでの自由。めっちゃアタマいいんです。
これまで交通事故に8回遭っているんですけど、事故のたびにアタマが良くなったと思うんですよね。普通の人とアイデアが変わってきたというのかな。何かを質問されたとき、他の人の答えを聞いていると、あまりのレベルの低さに、びっくりしますもん。“え、その程度なの!?”って。きっと相手がビル・ゲイツくらいにならないと、ダメなのかな。孫正義さんとは話が合いましたよ。最初パーティで会ったんですけど、僕、孫さんのこと全然知らなくて。でも、しゃべっていて“あー、なるほど”って、ちゃんと分かり合えましたからね。
今回、本を書いたのは、僕のしくじりを読んで“私のしくじりなんか、大したことないや”って、元気を出してほしいから。そもそも、しくじってない人生って、本当に楽しくないんですよ。しくじって、それをなんとか努力して解決したときって、すごくホッとしてうれしいでしょ。お金があると、なんでも解決できるから、しくじりもないし、全然面白くない。お金のない今のほうが超楽しいです!」
どんな状況でも超ポジティブ。ますますスター新庄が好きになりました!
■新庄剛志「衝撃SHINJO伝説」年表!
1990年(18歳)ドラフト5位指名で阪神タイガースに入団。
1993年(21歳)1軍に定着し、大ブレイク。亀山努と「新亀フィーバー」を巻き起こす。
1995年(23歳)契約更改会見で突然の「現役引退宣言」。しかし、後に撤回。
1998年(26歳)野村監督の下、投手との二刀流に挑戦。最高球速145キロをマーク。
1999年(27歳)巨人戦で延長12回裏に槙原の敬遠球を打ち、サヨナラ安打を記録。
2000年(28歳)FAを行使し3球団と交渉を重ねるも、突然MLBのメッツ移籍を発表。タレントの大河内志保と結婚(2007年にメール1通で離婚)。
2001年(29歳)メジャー初出場は代走。なんとタッチアップで二塁進塁に成功する。オフにサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍。ボンズとマブダチに。
2002年(30歳)日本人選手として初めてワールドシリーズに出場。初安打も記録。
2003年(31歳)FAでニューヨーク・メッツに移籍。マイナー時、メジャー昇格を断る。
2004年(32歳北海道日本ハムファイターズに移籍。「日本一にする」と宣言。『クイズ$ミリオネア』に出演。鉛筆転がしを駆使し、全問正解を達成。オールスターゲームでMVP獲得予告。史上初の本盗成功で、見事実現。
2006年(34歳)開幕直後、ヒーローインタビューで同シーズン限りでの現役引退を表明。日本シリーズを制し、日本ハムを日本一に導く。監督より先に胴上げ。
◆新庄剛志(しんじょう・つよし)1972年生まれ。1990年に阪神タイガースに入団し、俊足強肩の外野手として大ブレイク。2001年からはMLBに活躍の場を移し、アメリカでも人気者となる。2004年に日本球界に復帰。移転間もない北海道日本ハムファイターズを「新庄劇場」と呼ばれる派手なパフォーマンスで人気球団に押し上げた。2006年現役引退。現在はバリ在住。