アメリカでは救急車を呼ぶのが有料? 日本と違い「スーパーヒーロー」視されている理由 (1/2ページ)
やっと気温が下がり、すっかり季節は秋へと移行。過ごしやすい気候で何かとイベントごとも多いシーズンだが、気を付けたいのは思いがけないけがや事故だ。総務省発表の『「平成29年中の救急出動件数等(速報値)」の公表』によると、10年前から救急車の緊急出動件数、搬送人員共に、年々右肩上がりで増加し続けている。
日本ではまるで無料のタクシーのように救急車を呼ぶ人もいるといい、それが出動件数の要因ともいわれている。しかし、これはアメリカではありえない話のようだ。
まず、日本とアメリカの救急の大きな違いは、日本では消防と救急が「119」、警察が「110」と緊急通報用の電話番号が分かれているが、アメリカでは「911」が消防、救急、警察のすべての緊急通報に対応していることだ。そのため消防と救急、あるいは警察のどこに通報すべきか、通報者が迷う必要はない。日本では消防官が「119」、警察官が「110」のオペレーターを務めているのに対し、アメリカの「911」のオペレーターは訓練を受けた民間人であるという違いもあり、州によっては試験もある。さらに一番の違いは、日本では特定の条件下でない限り「119」で救急車を呼んでも費用はかからないが、アメリカでは救急車を呼ぶだけで数万円の料金が発生することもあるという。
アメリカにおいて消防士は市民を守るヒーローとして尊敬を集める存在で、子どもたちの憧れの職業ランキングでも常に上位にランクインしている。アメリカの消防士がヒーロー視される理由は、火事をはじめとする災害から人々を救うというその任務の尊さはもちろん、地域の住民との交流を大切にし、住民から慕われている点も挙げられる。
消防署で行うさまざまなイベントに住民たちを招待することもあれば、火事に遭った人や火事で家族を失った子ども、闘病中の子ども、あるいは老人ホームのお年寄りにクリスマスプレゼントを配るなんてことも。だからこそ、地域の住民たちは消防車で食材などの買出しに出掛ける消防士たちにも寛容だ。消防車専用の駐車スペースを設けているスーパーがあったり、レジの順番待ちで消防士が一般客より優先されるケースもあったりするという。消防車でうどん店に立ち寄ったことが物議を醸した日本とは、消防士に対する見方が随分と異なるようだ。