オランダで発表された現代アート美術館のような葬儀場がうっとりする美しさ

心に残る家族葬

オランダで発表された現代アート美術館のような葬儀場がうっとりする美しさ

スマートフォンが普及し、若者だけでなく、中高年もラインやインスタグラムなどのSNSを利用する事が一般的になってきた現在、葬儀の様子を写真に収めたり、SNSに投稿する人が増えるという現象は、逆らえない流れと言えるだろう。しかし、その様子を見る側の人の中には、その行為を不快に思ったり、不謹慎だと感じたりする人がいるというのも当然の事だと思う。この問題には、賛否両輪、様々な意見があると思うが、今回は、このような時代の流れに応じた葬儀事情を少しご紹介したい。

■今までになかったガラス張りの葬儀場


オランダの建築事務所「ホフマンドゥジャルディン・アーキテクツ」が、今年7月に発表した葬儀場「フューネラル・セレモニー・センター」の設計が話題を呼んでいる。

オフィスの設計を得意とするこの事務所が考案した葬儀場は、まず外観からこれまでの葬儀場のイメージを打ち破っている。正面が全面ガラス張りのスタイリッシュなデザインは、現代アートのミュージアムのようだ。

■画像や動画のアップロードとダウンロードが可能


内部は3つの部屋に分かれており、一つ目の部屋では、壁全体を利用したマルチメディアスクリーンに参列者が故人の写真や動画を送信。故人との思い出を共有した後、画像のダウンロードも出来る。

■自然へ還るかのような演出が施された式場


2つ目の部屋は、葬儀が行われ故人と最後のお別れをする部屋。緑の樹々が絵画のように切り取られた窓へと続く真っ白な空間は、故人が「自然へと還る」事を意味している。

■木目調で落ち着いた雰囲気の会食場所


3つ目の部屋は、式典後に参列者が食事をしながら故人を偲ぶラウンジ。木製のインテリアのホッと出来る空間だ。

この設計については、絶賛の声とともに、ヴィジュアル重視のデザインに対する批判も出ているが、現在の社会のニーズを反映した設計である事は間違いない。


■IT化が加速する葬儀の世界

近年、葬儀のライブ配信を提供する葬儀場が世界的に増加している。インターネットが登場する以前は、遠方に住んでいたり入院中であったりすると、葬儀に参列する事を諦めざるを得なかった。しかし、現在のインターネット社会では、そのような状況の人たちも、葬儀のライブ配信により、大切な人の最後を見届ける事が可能になった。

ネット上でお墓参りが出来るシステムは、日本でも海外でも普及しつつある。これは、ネット上に故人の情報を登録しておけば、時間や場所を問わず、どこでもお墓参りが出来るというシステムだ。海外ではSNSと連動して、故人を知る人たちとコミュニケーションが取れるものもある。また、納骨堂のデジタル化も国内外問わず著しい。ICカードをかざすだけで自動的に骨壷が運ばれてくるシステム、QRコードを読み取って、スマホで故人の動画を見ながら参拝するシステムなどである。

葬儀や墓地のデジタル化には、費用や場所の削減や、身体の不自由な方が無理なく利用出来ると言うメリットがある反面、実際の厳粛な空気を体感出来ないと言ったデメリットもある。しかし、葬儀業界のIT化は、今後も止まる事を知らないだろう。

■IT化の根源にあるもの

思い出を保存しておきたいと言う気持ちが、昔から変わらない人間の自然な心理である以上、SNSに葬儀の様子を投稿する人は、今後も増えて行くはずだ。明らかにふざけた写真や他人に不快感を与える投稿は、もちろん問題がある。しかし、そうでなければ、それは一概に悪い事ではないように思う。

その手段がいかにデジタルであろうとも、結局一番大切なのは、それを行った人のアナログな「気持ち」なのだから。

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