知られざるニッポン秘薬・伝統薬めぐり(4)後醍醐天皇ゆかりの胃腸薬 (1/2ページ)
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週刊アサヒ芸能 2018年 10/18号
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奈良県御所市に、創製は14世紀前半の元応年間(1319~1320)と言われる日本最古の胃腸薬がある。その名も三光丸。創製当初は「紫微垣丸(しびえんがん)」という名前だったのだが、建武3年(1336)に後醍醐天皇より「三光丸」の勅号を賜ったという。
同じく奈良で異彩を放つのが、ミミズの研究を50年以上続けるワキ製薬。漢方薬の材料として用いられる中国産のミミズ(地竜)を材料にした風邪薬「みみとん」は、昭和26年(1951)発売のロングセラーだ。
奈良と並ぶ古都京都にも伝統薬があった。亀田利三郎薬舗の「赤井筒薬 亀田六神丸」。通称「カメロクだ」。全国に100を超える六神丸が存在するが、その元祖と言われている。創業の由来を、同薬舗の亀田利一社長が解説する。
「六神丸はもともとは中国の薬で、カメロクの六神丸は雷氏方という処方に基づきます。創製は300年以上前の清の時代。亀田家は近江国の出身で、江戸元禄の頃に京都へ出て井筒屋利兵衛の名で商いを始めた。六代目利兵衛の長男・利三郎が中国へ渡った時に上海で病気になり、現地で入手した六神丸でたちまち快癒したんです」
これをきっかけに、亀田利三郎薬舗として輸入販売を始めたものの、成分にヒ素を含む鶏冠石があったため、明治32年(1899)に輸入禁止に。それを機に六神丸の国内生産に踏み切り、これが売れた。
「大正時代にスペイン風邪が大流行した際には問屋が店の前に並んで、できたばかりの六神丸を奪うように持ち帰るほどだったという逸話も」(亀田社長)
成分を見ればその効果も納得で、前述した熊胆をはじめ、朝鮮人参や真珠の粉末と、希少なものばかりだ。
「カメロクは原料が命。材料の質は守っていきます」(亀田社長)
ところ変わって、鹿児島県の南さつま市に、江戸時代から続く青木流芳院がある。漢方医だった創業者が創製した家伝薬「加世田血脳薬(かせだちのくすり)」を一子相伝で受け継いできた。十八代目当主の青木浩太郎氏が言う。
「天然由来の生薬が自然治癒力を高めるので、これまで他の医薬品で効果が感じられなかった方にお勧めです。