ニューヨーク市の公立学校の学生の約10人に1人がホームレスであることが判明(アメリカ) (1/3ページ)
アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク市では学生の10人に1人がホームレスの支援施設や親戚の家で暮らしている。これは同市始まって以来の多さである。
昨年、仮住まいで暮らすこの市の学生は、3年連続で10万人を超え、114,659人となった。こうした子供たちはホームレス化によって一番影響を受ける犠牲者で、ビル・デブラシオ市長が2014年に就任して以来の懸案である。
だが家のない子供たちが増え続けているというのに、彼らを助けようという公共・民間のからの支援は目立った増加を見せていない。
・ニューヨーク市のホームレス学生の数が近年急増
ホームレス学生の数は、全体的なホームレスの増加に伴い過去8年で急増した。
2017年春の段階で、仮住まいの学生の数は2010年の69,244人から114,659人に増えた。これはニューヨーク州の州都オールバニの人口を上回る。
ニューヨーク市は全米の大都市でも特にホームレス学生が多いところだ。
たとえばシカゴの公立学校では約5パーセント(2017年)、ロサンゼルスでは3パーセント強(2016年)だが、ニューヨークシティでは10人に1人の割合だ。
施設で収容できる人数にも限界があり、通りや地下鉄で眠る人々も増えている。昨年、施設で寝泊まりしたホームレス学生は38,000人近くおり、残りは親戚の家などで暮らしている。
・144校の公立学校で3人に1人がホームレス
過去4年間では、ニューヨークにある1,800校のうち144校で、3人に1人がホームレス学生であった。
ホームレス学生は成績が振るわないことが多く、施設暮らしをする学生で州が実施する数学の試験に合格できたのはわずか12パーセント、英語の試験では15パーセントでしかない。