武豊4000勝インタビュー「あのときが最高の瞬間でした」 (2/3ページ)

日刊大衆

あのときが最高の瞬間でした」

■武豊に影響を与えた恩師たち

 そんな武豊が、現在の武豊となるまでには、3人の“恩師”が大きく影響している。一人は、“ターフの魔術師”と呼ばれた亡き父・武邦彦氏。2人目は、邦彦氏の弟弟子で、武豊の兄弟子に当たる河内洋元騎手(現・調教師)。

「小さい頃から、ずっと父に憧れ、父の背中を追って来たので、今の自分があるのは父のおかげです。河内さんは、技術的なことをあれこれ言葉で言う人ではなかったので、ずっと後ろにくっついて、真似をしていました。覚えているのは、“うまく乗らなくてもいいから、とにかく一生懸命に乗れ”という言葉です」

 そして最後の一人が、故・武田作十郎調教師だ。

「先生から口を酸っぱくして言われた、“いいか、豊。技術だけうまくなっても、いい馬乗りにはなれない。みんなから信頼される騎手、誰からも愛される騎手になりなさい”という言葉は、今でも僕の心のど真ん中にあります。もし先生が、この記録を知ったら? うーん、なんて言うかな⁉ よく頑張ったって、喜んでくたらうれしいですね」

 どんなときでも目の前の1勝を大切にしたいそう語る武豊が、4000勝達成のインタビューで伝えたかったのは、すべての馬、すべての人への感謝の気持ちだった。

「これまで騎乗したすべての馬、その馬に携わってくださったすべての方、家族、友人、どんなときでも僕を応援し続けてきてくれたファンの方……数えきれないほど多くの方に支えられて、今の僕がある。感謝の気持ちでいっぱいです」

■武豊引退のときは……

 いつでも、どんなときでも冷静沈着。ときには皮肉を交えながら、ときには厳しい言葉で、淡々と思いを語る武豊。そんな武豊をちょっと困らせてみたくて、こんな質問をぶつけてみた。ケガで思うように勝てなくなったとき、騎手をやめたいと思ったことはないですか?

「ないですね」

 間髪入れずに言葉を返すと、自分の胸の裡を探るようにしながら、ゆっくりと続けた。

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