「わかってくれるやつだけでいいよ」「そんなやついないだろ」:杉作J太狼XE「美しさ勉強講座」連載86 (1/3ページ)

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「わかってくれるやつだけでいいよ」「そんなやついないだろ」:杉作J太狼XE「美しさ勉強講座」連載86

軟弱な男たちの姿に見かねて、あの先生が立ち上がった!
杉作J太狼XE先生の「男の偏差値がぐんとアップする美しさ勉強講座」

86時限目・「わかってくれるやつだけでいいよ」「そんなやついないだろ」

 女性芸能人が彼氏と海外旅行に行ったことが話題になった。悪いムードの話題であった。が、食中毒が出た飲食店は潰れてもスキャンダルで潰れた芸能人はいない。なんでもかんでも話題になればそれでいい世界だ。つまりタフで異質な世界であり町内会や学校とは違う。

 が、世界は違えどもその世界を構成している構成員、つまりそこにいる人員は町内会や学校を構成している構成員と同じであることが多い。

 とくに最近はそうだ。

 アルバイト気分の者もいる。率のいい稼ぎだと思ってる者もいるだろうか。異性にモテるのではないかと思う者も当然いる。スカウトされて説得されて、いやいややってる者もいるだろう。友達や肉親が勝手に応募した、というエピソードも絶え間なく耳にするがそんなことしていいのか?

 歌が好き。踊りが好き。映画が好き。ま、これがいちばん真っ当な動機だろうがこの度合いが大きい人物は心配することが少ない。芸事に熱心な者は。その度合いが強い者は平たく言えばフツーではなくなる。なにをもってフツーというかだが、たとえばゴッホという画家は自らの耳をカミソリで切り落とした。耳を削ぎ落とした傷も痛々しい自画像が世界的に有名である。百年以上前の話だがこの事件は動機もはっきりしていない。諸説ある。友人の画家、ゴーギャンや、好きだった女性が絡んでいると言われるがどれをとっても諸説のひとつにすぎない。芸術や芸能の道は行けば行くほどおのずと孤独になる。そうならなければ存在する意味がなくなる。他者の驚愕は得られるが他者の共感を得ることはない。むしろ理解されることがあってはならない。

 むかし。

 俺が駆け出しの頃。月刊雑誌『ガロ』に連載していた連載漫画にこんなセリフを書いた。

「わかってくれるやつだけでいいよ」

「そんなやついないだろ」

 にっちもさっちもいかない高校生たちの会話であった。

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