日本代表・三上、スクラムシステムを咀嚼。東芝問題にも「動揺」は控えめ。

ラグビーリパブリック

 王国の代表チームと5年ぶりに戦った。まもなく、元上司との対戦などのため渡英した。東芝ラグビー部の三上正貴はこの秋、ラグビー日本代表の活動に参加している。

 身長178センチ、体重111キロの左PR。代表デビューを果たした2013年には、78センチの太ももが注目された。国内トップリーグの試合でスクラムを押すのを当時のエディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ(HC)が見て、「レッグパワーがある」と評価。三上はそのまま、代表に定着した。

 ジェイミー・ジョセフHC率いる現体制下では、一時怪我などで選考漏れを味わう。もっとも11月3日、東京・味の素スタジアムで世界ランク1位のニュージーランド代表(オールブラックス)戦に途中出場を果たす。オールブラックスとは2013年11月以来の対戦となった。試合は31-69と大敗も、いくつかあったスクラムの機会では「プレッシャーを受けたわけではなく、準備したことはできてきた」と手ごたえをつかむ。

 実は、長谷川慎スクラムコーチからは「聞く姿勢がいい」と、指導内容を吸収する資質を買われている。いまのチームが目指す、互いが緻密に組み合うスクラムシステムをこう表現したことがある。

「システムがある。組んでいて、(問題が起きれば)どこがエラーしたかがすぐにわかるようになっている。試合中に修正点を見つけやすい」

 現地時間17日、チームはロンドンのトゥイッケナムスタジアムでイングランド代表とぶつかる。残念ながら三上はメンバー入りを逃したが、かねて「FWでめちゃくちゃにしろという感じで言ってくると思う」と相手指揮官の心のうちを想像していた。「ヨーロッパのチームはFWでガツガツ来る。セットプレーにこだわるチームにどれだけやれるかは楽しみです。タイトファイブ(PR、HO、LO)の仕事は重要になる」と展望する。

 オールブラックス戦の前々日、所属の東芝にまつわるネガティブな報道に触れた。本社がラグビー部撤退を検討していると伝えられ、その瞬間は不安に感じた。

 しかし…。

「すぐにチームマネージャーから『上層部に確認したけど、その事実はない』と連絡が来て。翌日には会社と部のホームページでも(報道を否定する文言が)出た。動揺する期間が長いわけではなかった」

 落ち着いた気持ちでツアーに臨んでいる。

(文:向 風見也)
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