放置すると“死”につながる!? EDは重大な動脈硬化のサイン! (3/3ページ)

週刊実話



 ちなみに、糖尿病によってEDになっている場合、その後、心筋梗塞や狭心症を発症するリスクは一層高くなるという。

 バイアグラ(一般名シルデナフィル)を含め、現在は3つの治療薬がある。

 硬さを得るならバイアグラ、早く効かせたいならレビトラ(一般名バルデナフィル)、長持ちさせたいならシアリス(一般名タダラフィル)とそれぞれ効能が異なる。

 いずれも、ニトログリセリンなどの狭心症の治療薬を飲んでいる患者や血圧が高すぎる人や低すぎる人、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞を起こしてから間もない患者には使うことはできない。

 脳が出す勃起指令は、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)という酵素によって分解されると消えてしまう。つまり、勃起を持続させるには、勃起指令が分解されないようにすれば済む。EDの治療薬はこの働きを阻害する役割を持つため、PDE5阻害薬と呼ばれる。

 「動脈硬化の予防のみを目的にED治療薬を処方することはできません。しかし、PDE5阻害薬には血管を保護する作用があるので、ED治療として週に2〜3回、少量を使うことにより、動脈硬化も改善することができます」(医療関係者)

 陰茎動脈は勃起時になると80%も拡張するという。その拡張の落差が障害発現しやすい理由の1つだ。そして、他の部位の動脈では血流の低下が起こっても、他の血管を介して代わりに血液を各臓器に流してくれるが、陰茎動脈にはその代替回路がない。そのため、加齢による軽度の動脈硬化でも、最初に発症しやすいのがEDなのだ。

 平成20年の厚生労働省の調査によると、虚血性心疾患の患者数は80万8000人も存在している。

 前出の田村氏はこう語る。
「心筋梗塞や狭心症などの虚血性心臓病が起こるよりも先にEDを発症するケースが多く見られる。心臓の他にも、EDは全身疾患の予兆として捉えられることが増えたため、ED症状が出たら、たとえ他の症状がなくても、一度、健康診断や人間ドックを受ける必要があるでしょうね」
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