“エッチOK”の広瀬アリスがまぶしい「銃を拾った男」の日常サスペンス『銃』

まいじつ

“エッチOK”の広瀬アリスがまぶしい「銃を拾った男」の日常サスペンス『銃』

映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『銃』

配給/Katsu-do 11月17日よりテアトル新宿にて公開監督/武正晴
出演/村上虹郎、広瀬アリス、リリー・フランキー、日
南響子、岡山天音ほか

人間、持ち慣れないものを持つと、人生観が変わるそうだが、偶然にも銃を拾ってしまった学生の場合、日常はどう変化する? という興味深い“化学反応”を描くサスペンス映画がコレ。中村文則の刺激的な原作を、ボクの好きな『百円の恋』(14年)や『リングサイド・ストーリー』(17年)などの武正晴が監督しているし、『その男、凶暴につき』(89年)などの名物プロデューサー・奥山和由の製作だし、というのも一筋縄ではいかないニオいがプンプンする。

雨が降りしきる河原で偶然、銃を拾った大学生トオル(村上虹郎)は、その銃に魅せられてゆく。彼が“トースト女”と呼ぶセックスフレンド(日南響子)とは性を謳歌するが、自分に興味があるかの素振りをする美人女子大生ヨシカワユウコ(広瀬アリス)には、銃を隠し持つ自信からか、むしろストイックに振る舞う…。

ボクは基本的には“妹タイプ”より“姉タイプ”が好き。例えば、石田ひかりより断然、石田ゆり子なのだから、広瀬すずより広瀬アリスなのは当然の成り行き。最近は先行人気の妹にがぜん追い付き追い越せモードのアリスなのがうれしい。放映中のテレ東ドラマ『ハラスメントゲーム』も忘れずチェックしているほどで、この映画でも、余裕こいて接する主人公を翻弄するかのように、やけにフレンドリーに接近し、やがて自室にも誘って“エッチOK”サインを出しまくるユウコ役が見事にハマっている。彼女って、十分に美人なんだけど、ハードルは高くなさそう(失礼)なところが魅力! 褒め言葉です。

暗闇の中、息を潜めてみたい

主人公の心を時に揺り動かし、時に、ある種『安全装置』になったりする絶妙なサジ加減。それでいて、どこか魔性の香りもまき散らしているのは女優・広瀬アリスの天賦の才能なのかも知れない。一方“セフレ女”役の日南響子も素晴らしい。“トースト女”の由来は、主人公が行きずりで関係を持った朝、パンを焼いたので、密かにその女性をこう呼んでいる。濃いめのルックスに、ショートカットでスレンダーな彼女のオールヌードが眩しい。正常位、バックの激しい濡れ場は、モノクロ画面のせいか、逆に淫靡な感じがする。

この今時珍しいモノクロ画面(パートカラーだが)に浮かび上がる主人公の根拠のない自信と全能感…。それがいつ暴発するのか、のサスペンス。身の丈に合わぬ武器が備わることの威力と危険性を、村上虹郎が若い肉体を持て余すかのように体現する。映画館の暗闇の中、息を潜めて観たいのはこういう映画だ!

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