後ろ向きに歩くと、なぜか短期記憶が向上する(英研究) (1/2ページ)
人間の記憶には、問題解決に関する情報を保持する「長期記憶」と、外界から得られた情報を一時的に保持する「短期記憶」がある。
短期記憶は数十秒から数十分保持される記憶だが、頭の中で繰り返しリハーサルすることで長期記憶に移行させることができる。
さて今回は短期記憶に関しての話だ。
後ろ向きに歩くと、じっと突っ立っていたり、普通に前に歩いた人よりも短期記憶が向上するというのだ。更には後ろ向きに歩くことを「イメージする」だけでも同様の効果が得られるという。
・後ろ向きで歩くと短期記憶が向上
イギリス・ローハンプトン大学の研究者は、被験者114名に女性がバッグを盗まれる場面を映したビデオを観せ、その内容に関する質問に答えてもらうという実験を行なった。
実験では、ビデオを視聴してもらったあとで、被験者を3グループに分け、10メートル「前に歩く」か「後ろに歩く」、あるいは「じっと立っている」のうちのいずれかの指示を与えた。
それからビデオに関する問題を出題すると、後ろ歩きグループはほかのグループよりも2問分だけ正答率が高いという結果になった。
・後ろ向きに歩くところを想像するだけも効果あり
研究チームは、この実験の派生バージョンを5つほど実施しているのだが、いずれも似たようや影響が確認されたという。
派生バージョンの一例は、似たような手順を行うが、質問は単語リストからいくつの単語を思い出せるかというものだ。
ほかにも実際に歩くのではなく、前方あるいは後方に歩く場面を想像するといったバージョンや、前方/後方に動いているような感覚を覚える電車のビデオを視聴してもらうというバージョンもあった。
そして、いずれのケースでも、後ろ歩きグループ(想像も含む)のほうが成績がいいという結果だった。