量は半分、価格を4倍にしても売れるガトーショコラを実現したシェフの経営論 (1/2ページ)
経営において、「何をはじめるか」ということと同じくらい大事なことがある。それは「何をやめるか」ということだ。
上手くいかないときは、どうしてもあれこれと手を広げたくなるもの。そして、余計なコストがかかってしまったり、本業に集中できなくなったりということが起きてしまう。
ただ、「何かをやめる」ということに対して思い切ることができる経営者はなかなかいない。だからこそ、おそらくこの本の著者の「決断」のエピソードは大いに参考になるはずだ。
『余計なことはやめなさい! ガトーショコラだけで年商3億円を実現するシェフのスゴイやり方』(集英社刊)は、「ケンズカフェ東京」オーナーであり、ファミリーマートのスイーツ監修も手掛ける氏家健治氏による一冊である。
■「余計なこと」をやめていく氏家氏は1998年にイタリアンレストラン「ケンズカフェ」を新宿御苑駅近くに開店。
以後、ランチ、喫茶、ディナーを提供し、ガトーショコラの販売、ネット通販の商品販売などのビジネスを展開してきた。
これだけ見れば「幅広く」展開しているように思えるが、今、氏家氏がやっていることはガトーショコラ専門店「ケンズカフェ東京」の経営だけである(フランチャイズビジネスや講演・執筆活動は除く)。ランチや喫茶、ディナー、ネット通販もすべてやめたほか、シェフも卒業してしまった。
そこには徹底した「余計なこと」の排除があり、ビジネスのスリム化を率先して行ってきた。ただ、氏家氏が述べる「余計なこと」は、普通の感覚からすれば「本当にやめちゃっていいの?」と思えるものが多い。
・いくつもの商品やサービスは「余計なこと」
・値下げ圧力に応えるのは「余計なこと」
・複数店舗展開は「余計なこと」
そして、これらは一度始めたらなかなかやめられないものでもある。それを「余計なこと」としてどんどんやめていったのだ。