「2001年宇宙の旅」HAL 9000からヒントを得た人工知能(AI)を開発。宇宙飛行士の安全を守る(米研究) (2/3ページ)

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HAL 9000: "I'm sorry Dave, I'm afraid I can't do that"

・クルーと対話可能な人工知能「CASE」

 CASEは3層のレイヤーで構成されている。

 第1層は、ロボットの手や目といったハードウェアを制御する。第2層は、バックグラウンドでルーチン作業を実行する。

 これらにはバッテリーの充電、酸素生成の制御、二酸化炭素の除去、惑星の岩石サンプルを採取するローバーのコントロールといった機能がある。

 最後の第3層は、CASEの日々の目標の達成方法や優先順位を決定する自動計画ソフトウェアである。

 またガス漏れ、モーターの故障、惑星での砂嵐など、トラブルが発生したときに、活動のスケジュールを見直して調整することもできる。

 これらのレイヤーはオントロジーサーバーに接続されている。これはデータについて推論をするための膨大なデータベースである。

 たとえば、誰かが棚から工具箱をクルーの居住区まで持ち出したとする。するとオントロジーサーバーは、工具箱の中に入っている工具すべてもまた居住区まで運ばれたと推測する。

 CASEは、生命維持やロボットの状態などの情報をディスプレイに表示するが、一方でクルーは会話を通じて、質問したり、指示を出したり、問題を事前に知らせたりといったことができる。

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・人工知能の反乱を防止する為の対策も

 映画のような人工知能の反乱を防止するために、CASEはクルーと情報を共有し、同意を得ない限りは実行できないよう設計されている。
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