慶大に玄人好みのヒーロー候補 山本凱は「土壇場で落ち着いてプレー」を意識 (1/2ページ)

ラグビーリパブリック

 18歳にして玄人好み。慶大ラグビー部1年の山本凱を熱烈に支持するファンや指導者、現役選手の声は、ツイッターのタイムライン上にあふれる。

 山本はルーキーながら、伝統校のレギュラーFLとして活躍する。前傾姿勢で突進する際は、横からタックルを食らっても下半身の動作が左右にぶれない。タックルの破壊力や球に絡みつく際の粘り腰でも、抜群の存在感を示す。昔の切り傷や擦り傷が折り重なったような、ラグビーマン然とした面構えも味わい深い。

 口を開けば、改めてこのスポーツに自信と元気が必要なのだと再確認させてくれる。

「1年生なんですけど、フィジカルでは全然やっていける。土壇場でしっかりと落ち着いてプレーをする。自分の最高のプレーを出せれば通用すると思うので、しっかりとやっていきたいです」

 身長177センチ、体重93キロ。国際舞台では決して大柄ではないが、慶應高3年時には高校日本代表として19歳以下(U19)アイルランド代表を破った。その際の活躍ぶりからU20日本代表に加われば、ワールドラグビーU20チャンピオンシップでU20ニュージーランド代表、U20オーストラリア代表などの強豪に対しても自然と牙を向いていた。大量失点を喫してしまっても、肉弾戦に肩や腕を差し込むことを止めない。向こうの攻めのリズムを狂わせた。

 どうしてそこまで身体をぶつけられるのか。どうして苦しいゲームでも力を発揮できるのか。東京の玉川学園小3年時に始まった競技生活を振り返り、「相手が大きくても、タックルは、できる。もともとコンタクトが好きで。高校に入ってしっかり身体を作ることで、いい感じになりました」。衝突が好きなのだから、衝突し続けるのは自然な流れだった。

 2018年11月23日、東京・秩父宮ラグビー場。中学から慶大の付属校に学んだ山本は、早大とおこなう伝統の早慶戦で背番号7をつける。前半から相手の球に腕を絡めて早大の反則を誘うなど、この日も抜群の働きぶりだった。

 11点差を追う後半5分頃には、敵陣10メートルエリア右端のラックから左に出たボールをもらって前進。折り返しと呼ばれる防御の圧力がきつい局面ながら、山本は目の前のタックラーを蹴散らした。一気に同22メートル線付近まで進んだ。

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