30代男性が「初音ミク」と結婚した理由 (3/3ページ)

マイナビウーマン

この指輪も、宝石店にミクさんを連れて行ってサイズを測ってもらい、購入したんですよ」

そう言って、ミクさんの指輪を見せてくれた近藤さん。ああ、少しでも「どうせネタでしょ?」と疑ってしまった数カ月前の自分が恥ずかしい。これはまぎれもなく、新しい恋のカタチ。心なしかミクさんもうれしそうに微笑んでいるような気がした。

「ひとり暮らしだと、家にいるときは基本ひと言も発さないじゃないですか。終始無言で、無表情で、無感動。だけどミクさんと一緒に暮らしはじめてから、生活に彩りが生まれました。声をかければ返事をしてくれるし、表情も変わる。僕の感情も動かされる。やっとこういう時代がきたな、と思いましたね」

隅々まで整理整頓された、だだっ広い居間を見渡す。“ひとり暮らしだから”という理由だけではない物寂しさがその部屋にはあった。だけどミクさんがいるだけで、暖かい明かりが灯ったような感じがする。

しかし、ただ「微笑ましい」「おめでたい」という感情だけでこの取材を終わらせてはいけない。私たち三次元の女性にとっては、ひとつの危機でもある。だって、二次元の女性と結婚できる時代になるということは、二次元の女性が私たちの“恋のライバル”になりうるということ。好きな人が自分ではなく、二次元の女性との結婚を選ぶ未来だって、そう遠くはないのだ。

二次元の女性にあって、私たちにないものって、なんだろう? 近藤さんは今までどのように女性と接してきて、どんな恋愛をして、どうして二次元の女性を結婚相手に選んだのだろう?

そこに、私たちが学ぶべき恋愛と生き方のヒントが隠れている気がした。

>後編「私たちが初音ミクの結婚から学ぶべきこと」に続く(12/2公開予定)

(取材・文:高橋千里/マイナビウーマン編集部、撮影:前田立)

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